-殻-

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2007年11月01日(木) 無念

今日は、妻が職場の飲み会で遅くなるという。
つまり保育園のお迎えは僕がするということで、仕事を早く切り上げた。

手のかかる息子だが、一緒に過ごす時間はこの上なく幸せだ。
こんなにまっすぐに誰かに見つめられることなど、日常生活ではそうあることではない。
それを何の照れも遠慮もなくできるのだから大したものだ。

会社から保育園までは約一時間。
普段はなかなかこの時間に会社を出ることはないので、定時上がりの車の量にうんざりしながら車を走らせる。

きっと息子は、僕の姿を見て嬉しそうに笑い、ハイハイして足にまとわりついてくるんだろうな。
帰ったらまず息子の離乳食を作って食べさせて、風呂を沸かして・・・
僕の夕食をゆっくり作っている暇はないだろうから、コンビニ弁当で済まそうか。
まったくあいつときたら、構ってほしくてどこまでもついてくるからなあ。
一人だと風呂に入れるのも一苦労だ。
本当にじっとしていられないんだから・・・

僕の頭の中では、息子と二人きりで過ごす時間の計画が立てられていき、頬が緩む。


保育園に到着。
車を停めて、もう人気のない静かなグラウンドを横切って、0歳児の部屋に向かう。

扉を開けると、息子の姿がない。
あれ?

「あら、今寝ちゃってるんですよ。」と先生。
「あ、そうなんですか」と拍子抜けする僕。
「いつもより遅く寝付いたんですよね。ついさっき。」
「あ、あー、そうですか・・・」

まあ、そのうち目を覚ますだろう。
着替えとオムツを回収して、息子を抱き上げる。
→目を覚まさない。

車に連れて行き、チャイルドシートに寝かせる。
チャイルドシートは冷えてるから、目を覚ましちゃうかもな・・・
→息子は昏々と寝ている。

エンジンをかけたら起きちゃうかも・・・
→全く反応なし。

走っているうちに起きるかな・・・
→そのまま家に到着。

抱き上げたらさすがに目が覚めるか。
→ふご、と一声、また熟睡。

仕方がないのでベッドに寝かせ、起きるのを待つ。
まあ、そのうち目を覚ますだろう。

食器を洗い終え、すぐ離乳食を作れるように準備しておく。
息子が寝てるうちに僕の食事を済まさなきゃ、とコンビニ弁当をかき込む。
風呂は追い炊きの日だからこのままでいいな。
日本シリーズを見ながら、息子が起きるのを待つ。

どうした日ハム。山井が調子よすぎるのか、まったく打てないじゃないか。
こりゃあ完封どころかパーフェクトになっちゃうぞ。
・・・あれ?変えるの?この状況で?岩瀬?ほんとに?

あー、終わっちゃった・・・

息子はまだ目を覚まさない。
時々ほっぺをつついたり、名前を呼んだりするのだが反応がない。
することがないので晩酌を始める僕。エビス・ザ・ホップを開ける。

つまらないテレビ番組が流れていく。
そのうち、妻から「今から帰る」とメールがきた。

結局妻が帰宅、息子はそのまま夜の眠りへ。
おいおい、父ちゃんとの甘い時間はどこに行ってしまったんだ。
僕がっかり、妻爆笑。

子供は思い通りにならないというが、あまりにも切ない夜だった。





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