-殻-

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2003年12月10日(水) 巡る季節

この街で迎える二度目の冬。
冷たい風が運ぶ匂いにはまだ慣れない。

夕暮れの刹那、藍より深く乾いた空にきりきりと星が見える。
沈み損ねた紅が幽かな彩で山の端を縁取る。

誰かに見せたい景色は、あまりにも束の間で、
瞬く間に山の向こうへ滑り落ちていった。


君は、こんな色を見て何と言うだろう。
僕がそうであるように、隣に誰がいてもその存在を忘れてしまうだろうか。

僕らは灯りを持たず、
かと言ってはぐれぬように互いの手を取ることもなく、
それぞれの歩幅で、それぞれの想いで、
長い夜の季節を迎える。

僕には為す術がない。

君が見たい景色は、君だけのものなのだ。
僕の望む未来が、僕だけのものであるように。




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しんMAIL

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