-殻-

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2003年09月25日(木) ふたりを語らずに未来を語る

君は先のことを話したくて、なのに口をつぐんでしまった。
それは僕がまた逃げ出すことを恐れていたから。

僕がいなくなることを、君は恐れているんだね。
はじめてはっきりと、君はそれに触れた。
そして、将来を語る相手が欲しいのだ、と言った。

僕は君のそんな言葉に触れてしまうと、
もう忘れたはずの感情に揺さぶられる。
期待してはいけないのに。
なにひとつ、信じるに値する愛情などないのに。

将来への漠然とした不安を、少しずつ君は口にする。
僕はそれを聞いて、思うところを伝える。
こんな会話が、君の求めていたものだろうか。
僕にはどうしてもそうは思えない。

だって、その会話には僕等がいないもの。

君の見ている将来に、僕と君がいるという約束は、
どこにもない。

君はそれを知っていて、だからこそ言わない。

いや、君はまだ本当のことを言っていない。
そう、君が話したいのは。













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