-殻-
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君の言葉がわからないんだ。
僕にはもう、聞こえないんだ。 一度別れたその道が、交わることはあるだろうか。 望んだ訳でもなく、選んだ訳でもなく、 ただ行方の知れないその道の先を、 僕等は夢見ていいのだろうか。 今の僕には、踏み外す勇気はない。 道端の草叢を分け入って、君のいる道を探すことはできない。 遠ざかる君の声は、異国に吹く風のように乾いている。 そのひとつひとつの音が、音以上の意味を持つことはない。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |