-殻-
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あなたの言いたいことはよくわかる。
でも、あなたの勝手な孤独に共感はできない。 僕にもそんなことを言っていた時期があった。 孤独は僕らを醜くするし、不思議と他人を遠ざけてしまう。 そんなオーラを、あなたは振り撒いているみたいだ。 幸せだ、なんて言えばあなたは卑屈に羨むだろう。 不幸を嘆けば、あなたは殊勝に蔑むだろう。 そんなあなたの想いを汲んだわけではないけど、 僕は愛情とは違う関係性をあなたにわかって欲しかった。 あなたの憧れる、映画のような恋など存在しない。 ここには、素敵に淋しく、果てしなく切ない現実がある。 ありきたりな幸せを安値で買うほどには、僕は落魄れてはいない。 醜悪な事実を抱え込んで、泥の中で咀嚼し続けるだけだ。 その足掻きや苦しさや、底なしの否定と寂寥を伝えたかった。 届かないままあなたは席を立ったけど、 あなただってわかっているはずなんだ。 あなたのその孤独は、あなた自身が勝手に作っているってこと。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |