-殻-
INDEX| PAST| NEXT| NEWEST
状況と環境に応じた自己を幾つも設定して、
その時々で最適な役柄を演じる。 そしていずれ、どれが本来の自己なのかがわからなくなって、 戻れなくなってしまうのではないだろうか。 そもそも、本来の自己なんてものはどこにあるのだろう。 自然でいる自分など、存在するのか? 他者との関係性なくして自己を認識できないということは、 「状況と環境」を切り離して自己が存在し得ないということだ。 そんなにも僕の存在は曖昧で、不確定な可能性の雲なのだ。 相対性の中にしか見出されない、儚い実存。 そんな風に、他者とぶつかり、せめぎあい、エネルギーを授受して、 個の存在はカオス的に揺らいでゆく。 だがマクロでは、所詮見分けのつかない統計的集合に過ぎない。 そんな中で、一体どうやって僕は自分を認識するのだろう。 誰も教えてはくれない。 誰も答えてはくれない。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |