-殻-

INDEXPASTNEXTNEWEST

2003年01月15日(水) 冬空

星空がとてもきれいだったんだ。
今夜はすごく寒くて、空気がぱりぱりと乾いていて。

星の輪郭までもがはっきりと分かるくらい、
その光は張り詰めた輝きを放っていて、
なぜかこの街の冬の空気はそれを妨げることなく。

遥か彼方の、遥か遠い昔の光を、
今を生きる僕のこの目の中にしっかりと焼き付ける。

それは何と素敵な、素晴らしい偶然。
願っても願っても、きっと今僕が放つ光が誰かに届くことなど、
時間が止まることよりも低い確率でしかないのに。

全てはそこにあるだけなのだと、
それ以外に真実など何もないのだと、
分かってはいても、現実はとても優しく、
ここにいる僕の実在を肯定してくれる。

そこに意味を見出してしまうことは、
結局は果てしない孤独と空虚を生むに過ぎない。

それでも。

それでもなお、求めて止まないのはどうしてだろう。
気付いて欲しいと、見つけて欲しいと、望むのは何故だろう。



あなたは僕に、気付いてくれますか。

あなたは僕を、見つけてくれますか。

あなたは僕を。





INDEXPASTNEXTNEWEST
しんMAIL

Click here if you like it...↑

Add to your Favorite