-殻-
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僕は、もう遠く過ぎてしまった日々の埋め合わせをしようとしているんだろうか。
叶わなかった約束は、叶わないままで今もここにある。 君に伝えられなかった言葉は、伝えられないままでまだここにいる。 それは新しい他の誰かに同じことをしたとしても、遂げられるはずもない過去。 例え同じ約束をして、それを果たしたとしても、 例え同じ言葉で、想いを語ったとしても、 所詮それは君を満たしはしないし、 僕を満たすこともない。 なのに、あの日の君の涙を思い出すたびに、 僕は君といるはずだった今日をとても切なく思うんだ。 あの時、 君の手を離さなければ、 君は今ここで、 隣で笑っていてくれましたか? 結局僕は自分の夢ばかり追いかけていて、 誰かを幸せにしたことなんてない。 僕は何も変わってなんかいないよ。 相変わらず、あの日と同じところで彷徨っている。 そして今も、君の幸せを願っていながら、 同時にそれを深く憎んでいる自分に気がつくんだ。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |