ひびたわ。
INDEXpastwill


2002年03月23日(土) SIDS〜娘が天に召された日(22)


〜初めていらしてくださった方へ〜

去る、2/21の夜、3号こと長女が翌日に1歳の誕生日を控えてSIDSでこの世を去りました。

これからしばらく、運命のその日と、その後について綴らせていただきます。

こういうことを詳細に綴るのは、反対の方もいらっしゃるでしょう。

しかし私は、私自身のために、綴らせていただきます。

事実の記憶を封印するでなく、表に出すことで

自分自身が立ち直る、術の一つにしたいと思います。

けしてお涙頂戴のつもりではなく、エゴに近いかもしれませんが。

語ることで、がんばろうとしてるんだと、

温かく見守っていただけるととてもありがたいです。

しかしかなり厳しい記憶ですし、日が浅いので生々しいです。

読むのは辛いという方はどうぞ、ご遠慮くださいませ。

というわけでしばらくの間、エンピツのジャンルは「苦悩・心」にさせていただきます。

3月1日の分からお読みいただけると、嬉しいです。

なお、この日記を読んでくださった方、特に小さな赤ちゃんをお持ちの方に

この日記を読んだことで、SIDSに関して、

過度に不安を抱かれるのは本意ではありません。

現在日本では2000人に一人の発症率、この数字が多いとも少ないとも申せませんが、

この日記をきっかけに、SIDSについて正しい知識と理解を深める

きっかけとしていただければ幸いに存じます。


SIDS家族の会http://www.sids.gr.jp/





その夜は、深い眠りに落ちました。

数日まともに寝てなかったわけだから当たり前ですが、

こんなときでも、ちゃんと眠れて、ちゃんと食べられる。

もちろんそうでなくてはならないし、そうしようと思ってしているのだけど

なんだか空しい気もしました。



朝になり、お坊様が見えて、お経を上げてくださいます。

初七日までは毎日これが続きます。

合間にはまた、お悔やみに来て下さる方がいたり。


主人の会社の福井支店にも挨拶に行きました。

昨年2月まで、主人はここにいましたから、

本当に多くの方が、通夜、葬儀に参列してくださいました。

同時に私も、結婚前まで勤めていた職場です。


挨拶に行ったのはいいんですが。

皆さん腫れ物に触るようでした。

遠くから目があって、お互い頭を下げるんですが近寄ってくれない。

というかこちらがかける隙もない。

気持ちはとてもよくわかるのですが、正直困りました。


どうにかこうにか上役さんがちょうどいらしたので立ち話ですが

お礼を言って帰ってきました。



そんなふうに、事務的に慌しい時間が過ぎていきました。


しかしそれも葬儀後2日もたてば、落ち着いてきます。

(成人が亡くなると、もっと手続き的なことは多いでしょうが

いかんせん1歳足らずの赤ちゃんでは、社会的な手続きはそう多くありませんから)


私は、3号亡きあとはじめて一人で外出しました。

近くのショッピングセンターです。

義母はもう会社へ行っていたので食事の支度をするため

食材を買いに行きました。

そのまえに、大阪から来るときぼやけた頭で荷造りをしたせいで

自分の靴下などがほとんど入ってなくて困っていたので

とりあえず1足でも買おうかと、衣料品のフロアへ行きました。


近所のショッピングセンターなのですが、しばらく来ない間に

かなり売り場の位置が変わっていました。

「えっと靴下・・・なんでもいいや、とりあえず」

うろうろ探しているうちに、下着売り場に迷い込みました。

子供用の。

かわいい靴下、肌着、小さなブルマ。

・・・・・・・・・・・・・。


涙がこみ上げてきてしまったので、結局靴下も買わずに

1Fの食料品売り場へ逃げるようにエスカレーターを降りました。


食料品を買い始めても、胸が苦しかったです。

無意識に、大人の献立を考えながら3号の食べるものを考えている自分にとまどいました。

離乳食の進みが速く、最近はかなりのものを食べられるようになっていました。

それでも完全に大人と同じとはいきませんから、

いつも買い物しながらその中から3号が食べられるものを

無意識で考える癖がついていたようでした。

そんなことを自覚したこともありませんでしたが。


挙句の果てにパン売り場のコーナーで3号が好んで食べていた

スティックタイプのパンを、全く何の疑問もなく、

あ、3号に買わなくちゃと籠に入れた後で、

違う、3号はもういないんだと我に返り、また逃げるようにその場を離れました。


浮かぶ涙を必死でこらえて、レジを通過し、駐車場へ走りました。

車に飛び乗って、泣きました。

田舎のショッピングセンターの平日の立体駐車場など

車の数はたかが知れてます。おまけに暗くてよく見えない。

人気のないのをいいことに、わあわあ泣きました。


あの子は、もういないんだ。

あの子は、もうここにいないんだ。

もうあの子のために、何にもしてやれないんだ・・・

かわいい服も着せてやれない。

美味しいものも食べさせてあげられない。

まだなんにもなんにも・・・・・







日常こそが辛いのだと、そこで解りました。

本当は2週間程度、福井に滞在するつもりでしたが

このときに、本当に辛いのは大阪に帰ってからだと思い、

早めに帰阪することに決めました。

今現在、生活の拠点が大阪にある以上、福井にいるのは非日常です。

非日常の中で、あいまいにごまかして日をすごし、

大阪に帰ってもう一度はじめから悲しみをやり直すのは嫌だと思いました。

現実は、早く受け止めたほうがいい・・・

*********************************
読んでくださって本当にありがとうございます。

結局まだ大阪にいまして、PCから更新です。
(旦那の仕事の都合で・・・)

昨日、今年初めての桜を見ることができました。

まだ3分咲き、といったところでしたが

やはり桜はいいですね。咲き誇ってもどこか儚げな風情がいいですね。

今年は例年より早咲きの桜、皆さんも逃さず堪能してくださいね。

つづきます。


INDEXpastwill

ひびたわ。はmy登録を非通知にしています。
my登録してくださっている皆様、本当にありがとうございます。

 

ゆーき |MAILHOMEBBS
エンピツBBS(gintonicさん管理)
My追加