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書
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遺書と屍
羽月
MAIL
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2011年04月07日(木) ■ |
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さて、生きていますよ、と。 エイプリルフールはとうに過ぎたので、信じてもらって構わない。
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ぬいぐるみに名前を付けるのはやめたんだ。 奇跡を起こしてしまうかもしれないじゃないか。
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創作物を見るごとに思うことがある。 これは作者の傷。 そのものと言ったほうが正しい? 幸福も絶望も、当人だけのものだけど、標準テンプレートはある。 もちろん標準テンプレートだから、肉付けは必要だ。 そこに関わるのは、やはり個人の感情だと思う。
アイドルも同じく、そこにあるのは偶像だろう。 キャラクターとアイドルの同じところは、「見るものが自己を投影する」 という一点であるとわたしは思う。 誰かが何かを好きになるとき、そこには多かれ少なかれ自己があり、自己の理想像がある。 だからわたしは誰かを好きだとか何かを(人間の形をした何かを)好きだと言うのは好きじゃない。自分をさらけ出しているようで。 同じようにキャラクターを作る側に回るなら、更に恥ずかしいだろうと思う。自分の理想像の上塗り。目も眩む羞恥である。
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これはなんてことのない、何であるはずもない、ただのひとりごとだ。わたしのことばで、わたしの呟きで、わたしの遺書だ。 わたしが死ぬまでは何の意味も持たないことばたちだ。 どこにも行かない。ここで死ね。お前は死ぬために生まれてきた。 ばかみたいに、泣き叫ぶみたいに、無様なことばたちだ。みっともなく、惨めに、おとしめられるためだけにあることばたち。わたしだ。 これがわたしだろう。 許されない。誰に?許さない、わたしが! どこにも行かない。ここで死ね。お前は死ぬために生まれてきた。
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ぬいぐるみに名前を付けるのはやめたんだ。 だから、わたしはわたしのまま。 妙な奇跡が起きてしまったら、困るから。
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病的に細い足も、細い腰も、ただの興味で羨ましいと言った。 細くなりたいなあ。笑った。
大事な人には、怒る主義なんだ。 そんなのやめなよって、諭すタイプなんだ。知らなかった? 知らないよね。あはは。 あのころのわたしはあなたにすかれることだけがすべてだった。 あなたの全てを肯定し、心配し、同調するだけがすべてだった。 だけど別に、すべてを忘れたわけじゃなかったんだよ? あなたから謝られたことがなかったの、覚えてる。 あなたに迫害されたわたし。 仕方ないよね。異分子は弾かれるのが常だった。 わたしはおかしい子供だったし、当然の結末だっただろう。 そのままほうっておいてくれたらよかったんだよ? 異分子として扱って、ずっと迫害してくれたらよかった。 そうすればもう二度と、どっちも傷つかないはずだったね。 違うな、結局は、わたしが傷つきたくなかったんだろうな。
恨んでるのかな。 あはは、もう、わからないな。 思っている期間が長ければ長いほど、呪いに似ている。 「こう」なるまで、長かったな。 どっちでもいい。 彼女からもう傷つけられたくない、それだけがはっきりしている。 彼女を傷つけたいとは、思わない。 もっと残酷なこと、考えてる。
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