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NHKのラジオを聞いていたら
「ムコ投げ」
という言葉に出会った。
ムコ投げ…。 不思議だ。
ある地方での古くからの習慣らしく、結婚した男性をある高さのところから投げるのだそうだ。レポーターの話によるとその高さは民家の二階ぐらいの高さだそうだ。 最初の方をちょっと聞き逃したので定かではないが、なにやら神聖な場所で行うらしい。投げ落とされる場所には新妻が待機しており、転がってくる旦那を受けとめるのだそうだ。
この日ムコ投げされるのは、今は東京で暮らす元地元の男性で、なんと体重が90キロ以上もあるとのこと。投げられる方も投げられる方だが、投げる方も投げる方だ。彼はどうしてもこのムコ投げを体験したく、わざわざ休暇をとって地元にやってきたそうだ。
投げられた後、彼はハーハーと息を切らしてとても喜んでいた。
私は洗い物をしながら聞いていたのだが、スポンジを握りながら彼が投げられるシーンを想像していた。そしてうちの旦那が投げられたら…という想像もしてみた。きっとうちの旦那だったら下に落下する前に木の葉のごとく風に飛ばされ行方不明になってしまうだろう。 よかった、ムコ投げという習慣がここにはなくて…。
あ!いやっ!待てよっっ!!
ここの地域には「ムコ投げ」という言葉はないが「ゴミ投げ」という言葉がある。 この「ゴミを投げる」というマナー違反な言葉が日常的に使用されているのだ。
学校でも会社でも
「ゴミ投げてきまぁぁす♪」 「あれ?今日のゴミ投げ(当番)って誰だっけ?」
という言葉が頻繁に飛び交っている。これは「ワケル君」という、「ゴミ分別」をうたった人気キャラを生み出した市として恥ずべき行為だ。
…と言いたいところだが、
「ゴミ投げ」とは「ゴミ捨て」という意味を持つのである。 他の地域の人は、この言葉に驚くらしい。 ゴミを野球のピッチャーのようにスパーンスパーンと投げるのかと思うらしい。
あの大リーガー佐々木は同郷の人だ。 だから絶対に
「あ、オレがゴミ投げるよ。」
と気をきかせたつもりで一度や二度は口にし、周囲を驚かせたに違いない。
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