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2002年06月23日(日) |
盛岡の想い出/『母のまさ夢』 |
前日焼肉屋でにんにくを焼いて食べたのだが、4人とも同じ口臭を放っていたため、車中誰も被害者にはならなかった。
さて、今日は小旅行の最終日。
お昼に食べようと「福田パン」へ向かう。 「福田パン」とは、ちょっと有名なパン屋さんで、フワフワのコッペパンにお好みのジャムや惣菜をその場で挟んでくれるのだ。私のお気に入りのパン屋さんである。是非盛岡へ行く際は「福田パン」へ足を運ぶことをおすすめしたい。 (ちなみに私は『チーズクリーム』を挟むのが好きだ)
そんなに買ってどうするの?というぐらいそこでパンを購入。 すぐに食べたい気持ちをおさえ大迫へ向かう。
大迫にも色々と縁がある母なのだが、もう30年近くご無沙汰していたのである。(私は去年行ったが) 旦那の案で、母を大迫へ連れて行くことにしたのだ。 もう知っている人はいないのだが、私はあの懐かしい風景を是非母に見せたいと思っていた。そんな気持ちを知ってか知らずか、旦那が「大迫に連れて行こうよ」と言ってくれたのである。 (稲本くんもいいが、やはりうちの旦那の方がいいなと思った私である)
大迫の町を流れる川の河原で、いよいよ待ちに待った福田パンの登場。 川のせせらぎを聞きながら福田パンをほおばる。
4人全員キューピーのようなおなかになり心も体も満足すると、今度は大迫の商店街を散歩することにした。
今ではほとんどお目にかかれない懐かしいカタチをしたポストが当然のように設置されているこの町は、私が3頭身で遊んでいた頃と何も変わっていない。
「お祭りがあるとこの道で、ふつははっぴを着て山車をひっぱっていたんだよぉ」
と、母は懐かしそうに話した。 私にもその記憶が少しある。
しばらくブラブラと散歩をしていると、あるお店の前で突然母が固まった…。
「こ、こ、こんなことって…!?」
そう言うと母はあまりの驚きにしゃがみ込みそうになる。
「このお店と全く同じお店が、何度も夢の中に出てくるの!!」
えっ…? なんだそれ? そんな母を囲んで、我々は母がおかしくなったのかとちょっと動揺する。
母の話しによると、お店のレイアウトも全く同じで、お店に入って左奥からおばさんが出てくるのだと言う。ショーケースに並んでいる和菓子も夢と同じだと。
確かにこの商店街は、母が若かった頃利用したことは数回あるのだが、しかしこの店に入ったことはなく、店主とも付き合いはなかったそうだ。 考えられることは、この店の前を何度か通り過ぎたことはあっただろうから、その記憶のかけらが夢で再現されたのだろう。 しかし、それにしても母の話しを聞くとかなりリアルな夢なのである。 夢の中では顔は分からないのだが、いつもおばさんが店の左奥から登場するらしい。母は子供にとお菓子を買うのだという…。
そんなことを興奮しながら店の前で話していると、 なんと、店の左奥からおばさんが出てきたのである。 そして外に立っている我々に
「どちらさんですか?」
と訪ねてきたのである!
ど、ど、どうしよーっ!!
すると母が、
「実は…」
とおばさんに話し始めた。
「あら、そうだったのぉ」
と、おばさんはやさしい口調で言った。
すっかりおばさんと仲良くなり、記念にそこで買い物をすることにした。
おばさん 「ああ、あの人はもう亡くなったんだよ」 母 「じゃ、あのおばさんは元気なの?」
などと、すっかり二人は話し込んでいた。
科学的な面から考えれば、恐らく記憶の片隅にあったシーンがたまたま夢の中で蘇ったという、そういう説明がつけられるのだろうが、 私はそんな簡単なメカニズムでは説明がつかないようなそんな思いがしたのである。
商店街を後にした我々は、岩手を立つ最後に早池峰山に向かった。 早池峰のダムの近くには、ちょっとした公園があるのだがそこでブラブラ散歩でもしようと。
その公園にはダムの水が足元まで迫ってくるポイントがある。そこまで降りて4人で石投げをした。 旦那は石投げの名手で、旦那が投げる石は水面でバレリーナのようにポンポンと弾むのである。 しかし残念なことに、ビデオをまわした途端緊張のあまり1歳児レベルの石投げに転落してしまうのであった。
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