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「暗幕」日記

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2004年01月01日(木) おみくじの弁天様

ここ数年初詣は近所の氏神様に行く。ここは、おみくじが売ってないのを苦にしていたが今年はあった。賽銭箱の脇、本殿に昇る人のためのすのこの近くに、小箱と代金を入れる箱が前後に並んでおいてあった。

これは七福神の金色をしたお守りがついているタイプだった。他所で見たものはたしか一回150円だったがこれは100円。しかしビニールで包まれてなく、帯でつないだ黄色い地の紙包みがそのお守りを入れたものなのだろう。何番とのお告げは見て選び放題。16番をひいた。弁天様だった。狙っていたものが出たので少し嬉しくなった。

おみくじの白い紙だけを除いて枝に結んできたつもりが、帰ってくるとポケットに弁天様がない。年末年始の休みにポケットの中は掃除して、あとは手袋しかなかったはずなのに。みくじと黄色い包みと繋いでいた帯の残りらしい紙切れを捨てたら何もない。ふと思い出したのは昔読んだ、牛の乳に水を混ぜて荒稼ぎしていたおばあさんの話だ。川を渡るとざるのなかの小銭は水に流れて残らなかった。賢者が彼女に言う、水をミルクと偽って得たお金は、元の水に還ったのだと。おみくじの占もこれを連想させるような歌だった。


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