「暗幕」日記
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2002年12月17日(火) |
つなぎとめられている理由 |
デパートめぐりをして帰宅したら近所で不幸があったという。昨年両親を亡くして一人住まいだった近所の人がなくなったそうだ。それも、自死であったらしい。
年末でいろいろなことに区切りをつけたくなる気持ちがわかるほどには、私も鬱に近いところにいる。じっと掌をみつめてきょうは死ねないとわかっていながら、崖の縁に立って下を見下ろす気持ちが。
さえた刃物の色が冷たく心臓に迫る。
私は欲しいものがあって、きらびやかな店を探して歩いていた。おいしいものを食べたい。きれいなものが見たい、作り出したい。気持ちのよくなるものを着たい。
つかのまの鬱の晴れ間に、自分の人生に見切りをつける行動を起こしてしまったかの人には、何もなかったのかもしれない。この世に自分をつなぎとめておけるだけの何か。身の丈に合う責任とか、心残りとか、「したい、やりたい!」という欲さえも。
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