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「暗幕」日記

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2002年11月20日(水) 夢記録:小説を書く

【夢の内容】1)

日没間もない野外音楽堂を離れて、並んで歩く若い二人連れ。モデルもやっている女性の身長は高く、涼しげなカラーシャツの男性とほぼ肩を並べている。
「今日の演目は良かったですわね」
「ああ。期待通りの出来だった。毎年この音楽祭は来ることにしてるんだ」
「そうですの? あちらもシーズンですのに、なぜ帰っていらしたのかと不思議に思ってましたのですけれど」
「今年はもちろん、君を連れて行くためさ」


まてよ、女性は帰国子女だし、男性はイギリスの大学に留学中だ。男性が留学先に恋人である女性を呼び寄せたというセンはどうだ。…いや、舞台は国内の方が良いだろう。双方学生で、そこまで金離れが良いのは現実的でない。


「ところで、一つ提案があるんだが、聞いてくれるかい?」
「何ですの?」
「…君を、このまま帰したくないんだが、……いいだろ?」
「…………」
(以下略)


この流れで一本書けるし、数日前のエピソードも続けると三十枚にはなる。いや、先とこれとを繋げる必然性のある伏線はまだない。だから、別の短編とした方が良いだろう。
それにしても、先週毎日二時までかかってやっと企画物を一本あげたというのに、進行中とは別の話がもう三本浮かんでいる。簡単なメモだけ書いて、ため息をついてエディタを閉じた。



2)

学園祭が近い教室。教壇には誰もいない。黒板には前の時間の古文の板書内容が残っているばかりで、授業変更の予定もわからない。
グループごとに寄せられた机の上には、模造紙に書きかけの掲示物が残っている。傍らの紙の内容を大書きすれば良いのだろうとは思うが、作業担当者がいないところで書いても違っていれば却って迷惑をかけるだろう。
病気で欠席していた間に準備分担が決まっていたし、私の復学時期は判然としていなかったので私は要員にそもそも数えられていないのだろうが、手の足りないところがあったら手伝いたい。教室を出て作業場所に割り当てられている理科実験室にでも行ってみようか。いや、その間にホームルームが始まってしまったらどうしよう。
前向きに並べなおされた机に座ると、椅子にかかっているのは他人の上着であった。では私の席はここではないのだ。自分のかばんをさがしてそれが脇に掛かっている机に座り直す。黒板はさっきの内容とは違う、現代国語の内容が板書されていた。




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