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「暗幕」日記

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2002年06月28日(金) 売買春について

売買春は存在させない方が良い

性行為に応じることを代償に金品を受け取る行為を売春といい、金品を支払う代わりにセックスあるいはそれに準ずる行為を他者に許容させることを買春という。今の社会は売買春を存在させておくには適当でないと私は思う。

需要があるから供給もある。それは否定しない。だが、おおむね買うのは男性で、売るのは女性になる。男女の賃金格差・社会的階級差を無視してはならない。「売りたい女性の自由意志は否定しない」という男性は、売れるならば自分も売春をするだろうか。いや、するまい(彼は無意識のうちに、自分が他者の性的対象でしかない存在になる可能性を除外している)。「自由意志による売春」を容認する人は実際は「春の自由」を保留したいだけではないのか。(つまり「金を出せば買うことのできる自由」だ。)

売春をする者は、金品に換えるべきでないものを売り渡している。たとえば、身の安全。精神的安定感(密室で無防備な裸をさらすほぼ見ず知らずの相手が、自分を死傷させない保障はない)。子どもを持つ時期を選ぶという意味での人生設計の自由。そして、親密さを示す時と相手を選択する自由。

「まちがって、売春婦でない女性を売春婦扱いする」ことだけが問題だとする人は以下の点で間違っている。女性を「買ってもよい」人とそうでない人に二分し、前者の人権を制限しても良いと暗黙に認めている点で。
「自分の勝手だから好きにしてよい」と主張する売春者に対しても同じ論法で反論する。あなたが売春者として扱われるそのやり方で、あなたと同じ属性(性・年齢・国籍・身体特徴など)を持つすべての人が扱われる可能性があるのだと。

あなたが性を売って安全に生計を立てられるほど社会は成熟していない。
あなたをみすみす危険にさらしてはおけない。
だから私は売買春に反対する。


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