「暗幕」日記
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ですから、公開する前に事実の吟味が必要なのです。数学の定理「直線とは〜」まで遡る必要はないでしょうが(たぶん)、「自分が当然と思ってきたこのことは、どれほどの説明を付加すれば読む人も了解してもらえるだろうか」ほどの検証は。 まして、意見をstatementに混入させたり、しかもその発言主が実は本人でなかったりした日にゃ…。
********* 議論が成立できない要因:私見
さらに続きです。
そもそも議論が成立しないでしょう。個人的意見に過ぎないものを自明の前提として自らのテキストに取り込む書き手が相手では。「わたしはこう思う、なぜなら〜」と論拠があらかじめ提示されてこそ、その人の思考の道筋を追うことができるし、自分とどこが異なってそのような結論に至ったのかを思いめぐらすことができる。彼の人と自分との道筋が最初に分かたれたポイントに焦点を当てて反論するのがたぶん最も簡単で相互理解にも近い。
仮に非難を避ける目的で、わざと「思う」を避けて断定口調で書く人はその前提からして間違えていると私は思う。それを自明の理と思わない他人が読む。そのとき感じる違和感は、そのような粗雑な一般化を公開された文章でしている個人に向けられることになるかもしれない。
ついでですのでその2。 前提も経験した事象説明もなしでただ「私はこう思う」「これが当然だ」としか書いていない文章に反論する場合、相手の主張する主題を自分の言葉で言い換え、明示されていない前提条件を推測してその範囲内でと但し書きをつけてから反論しないといけない(自分はそんなことは言ってないと逃げられないように)。めんどくさいです。
そしてその3。 議論の場に赴くにあたり、テキストの内容とそれを書いた個人の人格とは切り離して考えなければならない。議論の材料はその場に公開されている文章がすべてで、反論はそこから読み取れる内容を元に行なわなければならない。 ネットで文章を発表している個人として、私も彼の人も対等であるので、私は彼の人の人格を云々する立場にはない(と私は思う)。ものを考え文章を練り上げるには膨大なエネルギーを必要とするので、相手の感情を傷つけてしまったら最後、建設的な議論は期待できないと思って良い。
あなたがそれを書く目的は何ですか? webサイトの存在意義にもつながりそうな問いですが。 自分の主張をあくまで通したいのか、 他人と切磋琢磨したいのか。 ほめて認めてもらいたいのか、 共感されて慰めを得たいのか。 「やばい」と小さな声が囁くなら、無理はやめましょう。実害がないなら放置。退却を決めるのも一つの勇気です。
****** 夢記録:楽譜寄贈 【夢の内容】 職場の資料室にイタリア歌曲の楽譜を寄贈する。何か関連があって資料室の責任者が探していたのを入手したのだ。蔵書印を押す前に「本当にあなたは使わないのか」と念を押される。「もう私はピアノをひかないからいらない」と答える。 コンピューター関連の資料に混じって高さも厚さも規格外のその楽譜が書棚に挿入される。
****** あなたが「事実」と思っていることの普遍性
昨日の日記に補足。
自分が、断定的に言いきれる事実だと思っているそのことが、どれだけ普遍性があるか検証する必要があると思います。少なくとも公に発表する場合は。 簡単な例を出します。 「Aは23歳である」 「Aはやさしい人間である」 前者は客観的に検証可能ですが、後者は人によって判断が分かれるstatementでしょう。何をもって「やさしい」とするのかが人によってその内実は違いますし。AさんはBさんに対するときとCさんに対するときで態度が多少異なるほうが普通ですし。
まぁ所要時間せいぜい30分で書ける日記文で「断定」された内容は、(隠れた)前提条件が揃って成立する「限定された事実」程度に思っておくのが無難ですね。さらに、異論を出されて反論する過程でその前提を小出しにしたりすると嫌われます。
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