「暗幕」日記DiaryINDEX|old|new
引用:橋本治『さらに、ああでもなく、こうでもなく』マドラ出版,2001 bk1 これかもしれない、私がさっぱり分からなかった、私に対する敵意の根拠は。 今更言うまでもないかもしれないが私は特性だらけの人間で、そうした敵意に対しては「ふつうって何?」「私を"異常"だというあんたの言う"正常"って具体的にどういうことよ?」としか言ってこなかった。もちろん納得の行く答えが返ってきた例などなかったのだがそれはこういうことかもしれない。 やっと「そうか……」と納得した。日本じゃ、「特性がある」ということは「平均から逸脱した」ということで、とっても生きづらいことなんだ----(引用同上) 「逸脱」と見なされるのが嫌で、必死になって自分の「色」を消して、ふと見れば傍らに好き勝手に個性を振りまいている(ように見える)私がいる。そりゃー腹も立つだろう。でもね、同情こそすれ、理解なんてしてやらない。 あなたが没個性なのは、それを自分で選んだからだし、それはあなたの問題だから。羨望とルサンチマンの混じった面倒くさい感情を現実で私にぶつけるより先に、すべきことがあなたにはあるはずだしね。 あなたが想像して怖がっている「逸脱したが故の生きづらさ」って、私が平気で踏み越えられる程度のものなんですよ。尤も私の方は「横並びの安楽」なるものをさっぱり想像できないんでおあいこかもしれないですね。
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