女の世紀を旅する
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2002年06月15日(土) WCサッカー,日本が決勝Tへ.これがトルコ撃破のシナリオだ


《日本,決勝Tへ.これがトルコ撃破のシナリオだ》


★日本中沸く、世界16強 決勝Tに韓国も名乗り  2002.6.15



★昨日チュニジア破りH組1位)
(ベルギー戦 2対2 ロシア戦 1対0 チュニジア戦 2対0)

★6月18日 日本,トルコ戦 (決勝T初回) 韓国,イタリア戦




●日本,歴史的快挙,ついに決勝トーナメントに進出!

14日,チュニジア戦.後半3分、投入されたばかりの森島寛晃が右足でシュートを決めて、日本が先制。ついで中田英寿もヘディングでダメ押し=大阪・長居陸上競技場
 サッカー・ワールドカップ(W杯)日韓大会は15日目の6月14日、共同開催国の日本と韓国がそろって決勝トーナメントに進出し、海峡をはさんだ二つの国民の間に歓喜の輪が広がった。両国とも、1954年に初めてW杯に挑戦(韓国は本大会出場、日本は地区予選敗退)して以来、48年目で歴史的な日を迎えた。開催国の決勝トーナメント進出は第一回大会以来途切れて無い。
 H組の日本はチュニジアを、D組の韓国は強豪ポルトガルをそれぞれ破り、ともに二勝一分け、各組一位で勝ち上がった。H組はほかに、ベルギーがロシアを破って一勝二分けの二位。D組は米国がポーランドに敗れたものの、韓国がポルトガルを負かしたため、勝ち点で上回り二位で予選リーグを突破した。



●トルシエ監督の采配がズバリ的中

 日本はトルコ、韓国はイタリアと、6月18日にベスト8進出をかけて対戦する。 試合終了と同時にスタッフや控え選手と抱き合ったフィリップ=トルシエ監督(47歳)だが、選手の輪に飛び込むような派手な行為は、出なかった。この4年、喜怒哀楽の激しさで物議を醸してきた指揮官も、ほっとした気持ちの方が勝った。

 韓国と共同開催のW杯に向け「最低で予選リーグ突破」(日本サッカー協会の岡野俊一郎会長)との目標の請負人として代表監督に就任したのが1998年9月。「4年の過程があって今がある。やり続けたサッカーの集大成」と位置付けた大一番。「ゲームを楽しむ状態ではなかった」というのは本音だろう。しかし、試合の流れは冷静に読んでいた。

 前半のボール支配率は64%だったが、パスをつないでいるだけで、ゴールのチャンスが生まれない。「ボール回しばかりでは、(敵に奪われ、速攻を受ける可能性があり)危険だと思った」

 流れを変えるために打った手は、持ち前のスタミナでかけ回る森島寛晃(C大阪)と右サイドで攻撃力のある市川大祐(清水)の投入。これが見事に当たった。 赤鬼と呼ばれ鉄拳指導も辞さない一方で、「W杯は社会にも大きな影響を及ぼす」と少々理屈っぽい発言も繰り返し、サッカー先進国フランスの出身者という、少々鼻に付く香りも漂ったが,日本チームをここまで引き上げてくれた彼の尽力を,日本国民は深く感謝しなくてはなるまい。

 トルシエは決勝トーナメント進出を喜んだ後、チュニジアのスワイヤ監督に握手を求め、敗れた選手の肩を抱いて慰めた。「戦争」と形容されるW杯で同じ仲間,戦友であることを身をもって示した(チュニジアは古代ローマ時代にカルタゴが栄えた地。7世紀にアラブ人が侵入し,イスラム圏へ.1574年にオスマン帝国領へ。1881年にフランスが植民地化.長い独立闘争をへて1956年に独立。それゆえフランスとのつながりが濃い。スワイヤ監督もフランス人.住民の98%はアラブ人.他にベルベル人など)。

 決勝トーナメント1回戦の相手は強豪トルコだが、「強いのは分かっている。向こうは喜んでいるだろう。しかし目標を突破し、もう失うものはなにもない。自信をつけ、勢いもある」とトルシエは胸を張る。

 「サッカーは何が起こるか分からない」といわれる。この不思議なフランス人監督からは、何かを起こしてくれそうな気配が、ここにきて、強く漂ってきている。トルコ戦も期待してよさそうだ。



●日本代表、これがトルコ撃破のシナリオだ!

 ニッポン強し。日本が悲願の決勝トーナメント進出を決めたチュニジア戦の快勝から一夜明けた15日、日本サッカーの快進撃は地球を一回りし、世界を驚かせている。開催国の『義務』を軽々とクリア。次なる目標は、アジア勢としては66年イングランド大会の北朝鮮以来36年ぶりとなる『ベスト8進出』だ。18日の決勝T初戦(宮城)で立ちはだかるのは、ヨーロッパで近年急激に力をつけてきているトルコ。横浜FCゼネラルマネジャーの奥寺康彦、元日本代表MFの山口素弘選手(名古屋)が、日本代表の“勝利への道”をスカウティングした。

 「すごいね。決勝トーナメント進出なんて、ボクの現役時代には考えられなかったこと。とてつもない快挙だよ。しかも安定した危なげない戦いぶり。世界が日本サッカーを見直すはずだ」 辛口で定評がある奥寺氏があらんかぎりの賛辞を並べ、日本の堂々とした1次リーグ突破を称賛する。

 日本イレブンの実力の高さは言うに及ばないが、チュニジア戦の後半開始から森島寛晃(G大阪)と市川大祐(清水)を投入し、ズバリ的中させたトルシエ采配は、まさに見事というほかない。

 前回フランス大会に出場した山口選手も、「自分の経験から言って、ここまで監督采配がズバリ当たると、控え選手も一緒に戦っている気分になる。投入間もない森島の先制ゴールもそんな最高の雰囲気の中で生まれたのだろう」と、うらやましそうに推測した。

 ホームの利を生かした数千万人のサポーターからの声援、ブラジルとの対戦を避けるHグループ1位での1次リーグ突破などとも合わせ、勢いに乗ったトルシエジャパンは、これ以上は望めない史上最高のコンディションで決勝T初戦に挑む。



●トルコは手ごわい相手.ハサン=サスとバストゥルクに注目!

 トルコは王国ブラジルから先制点を奪ったことでも分かるように、攻撃力が看板のチーム。セリエA・パルマで中田英寿と同僚のFWハカンシュキュル、スキンヘッドのFWハサン=サスの強力2トップに加え、、ドイツのレバークーゼンで活躍するMFバストゥルクが、多彩な攻撃を演出する。バストゥルクは168センチの身長もさることながら、顔の方も森島とそっくりで、なんとなく親しみのわく選手だが、日本にとっては要注意人物だ。

 奥寺氏は、「トルコは海外で経験を積んだ選手が多く、国内リーグのレベルアップも著しい気鋭のチームだ。あえて1次リーグで戦った相手の中から挙げるなら、チュニジアを強くした印象。サイドを駆け上がってくるモヒカン刈りのMFユミト=ダバラ(ACミラン)にも気をつけなければいけない」。

 山口選手も、「間違いなく、これまでで一番強い相手。決勝Tに引き分けはないので、90分ではなく、延長の前後半30分を含めた120分(延長サドンデス方式のゴールデンゴール)で勝つ戦術が必要だろう」と、苦戦を予測する。と同時に、今大会での日本の進化を確信する両氏は、サポーターに心強い分析も披露する。

 「3戦を通じて失点2と日本のDFラインが安定感を増しているのは、実はもう『フラット3』を捨てているから。3人のうち必ず1人が余って、ウラに抜けてくる攻撃を見ている。98年に僕たちがとった戦術と同じ。W杯のようなレベルの高い大会では、固く守り抜くことができるこの方がいい」(山口選手)

 「中田英寿が、チュニジア戦でゴールを決めたのは日本にとって大きい。あのシュートも本来なら余裕を持って決められるボールだが、GKの股間を運良く抜けた。今大会は相当力んで、堅くなっていたことがわかる。1点取ったことで、パスやFKなどでも本来の輝きを放ち始めるだろう。こういう短期決戦では日本のようにリズムに乗ったチーム内に『好調』が伝染する相乗効果が期待できる」(奥寺氏)

 また、トルコには熱血のあまりすぐにキレて、ファウルを連発する悪癖があり、日本との対戦では、DFエムレ・アシクとMFエムレ・ベロゾールが累積警告で出場できないなど、日本に有利なデータもある。トルコのギュネス監督は選手起用に苦しみ、選手たちも『イエローカード恐怖症』気味という。



●トルコを撃破するための戦略は?

 「スタメンをいじる必要はない。がっちりと守って先制点を与えないこと。勝利を焦らないで120分フルに使う気持ちで臨み、相手の焦りを誘えばいい」(山口選手)

 「DFは高さを要求されるだろうから、万全なら森岡を使ってくるかもしれない。トルコも守ってくるだろう。リスクはおかさず、相手DFのウラをつく日本得意の攻撃で、自信を持って戦えばいい」(奥寺氏)

 この先、トルシェ・ジャパンの前に広がるのは、日本サッカーの新しい歴史だ。18日のトルコとの決勝T初戦に勝って、アジアの歴史も塗り替え、もう一度世界を驚かせてもらいたい。







カルメンチャキ |MAIL

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