女の世紀を旅する
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2002年04月11日(木) 《 最新の韓国通信 》

《最新の韓国通信》   最近の韓国の社会現象をネットで収集してみた





●例年より深刻な韓国の「就職難」

 昨年の十月ごろから、韓国では大卒者の就職活動が活発化していたが、今年は例年と事情が違っている。ただでさえ世界的に経済が停滞し、特に半導体の輸出に依存していた韓国は世界的な半導体不況の波にのみ込まれ、それに追い討ちをかけるように、米国でのテロ勃発で、企業が求人を極端に控えたからである。

 今年の大卒予定者が十七万人で、この他に就職浪人が二十六万人、合計四十三万人の就職希望者に対して、求人数は六万人しかありません。競争率は七対一。去年の四対一に対し、倍近くの競争率で、まさに就職戦争という感じであり,日本以上に厳しいというのが現実だ。

 新聞報道によると、名門校の延世大学でさえ、学内に設置した就職説明会場に学生が列を作り、数分の面接のために一時間待つような状況でした。さらに、ある学生は、十六社もの会社に入社願書を送ったが、今まで一つの会社からも返答がない状態とのこと。また、TOEICで九百三十点を取ったある学生は書類審査を通過して面接を受けられるだけで、周囲からうらやましがられるのだそうだ。もうすでに就職活動をあきらめている学生も少なくなく、大きな社会問題となりつつある。




●「大学試験」に見る風習

 「大学修学能力試験」が昨年十一月七日、全国的に実施された。毎年、韓国では大学の本試験の前に、大学で学ぶ能力があるかどうかを計る「大学修学能力試験」を行っている。皆、この試験の結果を見て志望校を決めるというのだから、受験生にとっては大切な試験である。
 この日、試験で十分に力を出し切れるようにと、国をあげてサポートしている。朝の交通渋滞を避けるため、公務員の出勤時間を一時間遅らせたり、英語のヒアリング試験に影響があるということで、その時間は空港付近の試験場の上空は飛行機が飛ばないようにした。また、遅れてくる受験生のために警察では白バイを待機させ、試験場までエスコートする光景もよく見かけるという。

 それだけでなく、自分の子供がちゃんと試験を受けられるようにと、一日中試験場の外で祈っている母親たちも珍しくない。面白いのは後輩たちが試験場の正門のところで、「先輩、頑張って!」「ファイト!ファイト!」と応援していることである。楽器を使ったりする場合もあり、初めて見る人は何事かと思うだろう。

 日本と比べると随分変わった受験の様子であるが、受験生を大切にする思いが伝わってくる。一方、大学受験への偏重がさまざまな弊害も生み出しているが、このような気持ちのよい風習には微笑を禁じ得ない。




●“不夜城”の東大門市場

 東京・渋谷にもソウルの東大門市場がお目見えしたが,今回は、本家本元の東大門市場についての紹介である。

 この東大門市場は、昼と夜の顔があって、客層も全然違う。昼間は、日本人など外国人の買い物客でにぎわっている。店舗の従業員も巧みな英語や日本語を駆使して客引きに暇がありません。

 しかし、夜になると、状況ががらっと変わりる。夜は、次の日の早朝まで電灯がつき、昼間よりむしろ人が多くなる。駐車場も三十分待ちで入れればいいほうで、一時間ぐらいかかるときもあるらしい。

 客層は二十代から五十代までと幅広く、女性がほとんどで男性はまばらで,男性は、女性の付き添いといった感じである。

 なぜ、こんな状況なのか、現地の人によると、昼間は普通の小売店で、深夜は韓国全土の衣料品店から仕入れに来る卸売り市場に変貌するためだそうだ。つまり、深夜に東大門市場にくると、ただでさえ安いのに、さらに二〜三割安く買えるのだそうだ。

 ちなみに深夜の東大門市場に繰り出すと、普段なら四万円ほどする三ピースのスーツを一万円であつらえることが出来るという。もっとも、安いからといって外国人が深夜にうろつくのも危険がつきまとうので、お勧めできるものではないとのこと。



●食堂街に日本式食堂が進出

 日韓ワールドカップ開幕まで残り少なくなり、ソウルの町もワールドカップの成功をうたう横断幕が見られるようになった。会場になるソウルのサッカー競技場も、先日オープンした。
 日韓ワールドカップの影響はこれにとどまらず、食堂街にも影響を及ぼしている。その中でも目を見張るのは、最近、日本式食堂が雨後の竹の子のようにいたるところに見られるようになったことである。

 昔も、牛丼やラーメンなどの日本の大衆食堂がオープンしていたが、韓国人の舌に合わず、すぐに閉店に追い込まれる傾向にあった。しかし、今回は事情がかなり違うようだ。 

 日本式食堂はうどん、とんかつ、すし、刺し身、しゃぶしゃぶが主なメニューという。以前は高根の花であった日本式食堂も乱立したせいか、価格もずいぶん下がってきている。例えば、とんかつは1万ウォン(1000円)ほどしたのが、5〜6千ウォン(500〜600円)ぐらいになり、また1ミリほどしかなかった肉厚も5〜10ミリくらいになり、より日本に近いとんかつが食べられるようになった。寿司や刺し身も日本の味とは比べようもないが、それなりに勉強しているようで、まあまあの味に近づきつつあるという。



●日本ラーメンの試食会

 ある日本人の駐在社員によると,会社で日本のインスタントラーメンのことで話題が盛り上がり、正月休みに帰国した際のお土産として買ってくることになった。
 最近では、韓国のラーメンも多様化していて、その数も数十種類にもなっている。しかし、基本的に韓国のラーメンといえば、「辛ラーメン」に代表されるようにスープが赤くて辛いものが一般的だ。

 日本には韓国にはないラーメンの種類がまだたくさんあると、説明しても理解してもらえず、百聞は一見にしかずということで、結局カレーラーメン、トンコツラーメン、キツネラーメン、シーフードラーメン、中華味ラーメンなど七種類の日本のカップラーメンを買ってきたという。

 出社当日、さっそく職場でささやかな試食会を行った。予想としては、韓国の人の口にはトンコツラーメンが一番あうと思っていたらしいが、感想を聞くと、人気があったのは意外にもカレーラーメンであったという。

 実際、韓国にはカレーラーメンはお目見えしていない物珍しさもあり、人気が集中し、とにかく味もいけるということで好評であったという。一方、一番人気がなかったのは中華味ラーメンで、油っぽいところが敬遠されたようだ。

 初対面でない韓国の人へのお土産に、受けのいいフリカケや、お茶、カレー、ラーメンといった日本の食品を買ってくると喜ばれるらしい。



●健康志向で菜食ブームが沸き起こる

 先日、韓国の某テレビ放送局で放映した「チャルモッコ チャルサヌンポブ」という番組が巷(ちまた)のちょっとした話題になっているという。直訳すれば“よく食べてよく生きる方法”という意味のこの番組は、肉食やインスタント食品がいかに体によくないかを実例を基に紹介する番組だった。

 放送の翌日に「ラーメンは体によくない」「牛乳は東洋人の体質にあわない食品だ」「白米は全然栄養がない」等々という感想をもらす人がふえたという。

 番組が放送されてから,庶民の肉類消費量が40%減ったという新聞記事が報道され、ちょっとした菜食シンドロームを呼び起こしている。いわば健康食ブームが押し寄せてきているのである。

 韓国では「よく食べなさい」「ちゃんと食べなさい」「たくさん食べなさい」という話をよく聞かさるるが、それだけ社会が貧しかったせいか、今までは何でもたくさん食べることが体に良いことと考えられてきた風潮があったため,かなりの反響を呼んだらしい。

 いよいよ、韓国の社会も日本のように飽食の時代に入ったということなのだろう。インスタント食品やファストフードが好まれるようになってから、食べることに対する考え方が変わってきた。昨年は韓国全体で十五兆億・(一兆五千億円)が残飯として捨てられたというが、こういう飽食の時代にこの番組は韓国人にとってちょっとした衝撃だったのだろう。




カルメンチャキ |MAIL

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