minimum maximum
ねこのひげは、バランスよく。

2002年01月23日(水)

1ヶ月近く、「労働」から遠く離れた場所にいる。
世間的には、いまのあたしは「堕」とか「怠」だとか、
そんな位置づけになっちゃうのかな。
実家の親のほんとの気持ちなど察すると、
とても親孝行な娘だなんて言えたものじゃない。
けれど、比較的、心が穏やかなのはどうしてなんだろう。

社会のまっただ中にいる時は、いつも心が忙しかった。
それも、マイナスの力の方向へ圧倒的に。
平穏な日々などそこにはなくて、いつも何かと闘っていた。
だけど、その闘いそのものが「存在」なんだとしたら、
休戦中の今現在、あたしはなにものなんだろう。
居場所を探して、求めてばかり。

好きな時間に起きて、好きな人たちと関わって、
好きなことだけ選んで、身の回りを固めてる。
そんな毎日はいつもあたしに優しいし、幸福にさせてくれる。
満たされていると感じてしまう。
事実、この時期に触れたものたちは、今後のあたしに多大に影響すると思う。
でも、満足してしまってはそれまでだ。
あたしの内面に、自分でも気づかない奥底に、
蓄積されいる「何か」をどうにかして引き上げないと。

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そんな想いを抱えつつ、昼過ぎにようやく布団から這い出す。
今日はHNちゃんと「耳に残るは君の歌声」を観るのだ。
HBKからの晩ご飯のお誘いを珍しく断り、チャリでKBCシネマへ急ぐ。
裏切ることなく、素晴らしい作品だった。
完全な悪者の出てこないストーリー。彼女の歌声。
妙な余韻を残した終わり方だったのが少し残念。

夜ごはんは「益正」に決定。
大根サラダに感動しつつ、話がはずむのなんの。
最初は、いつもの重い空気をちょっぴり感じてしまったけれど、
今日は特別2人とも饒舌だったなぁ。
「合わない」って思ってしまってごめんね!!!!って、
本人に謝罪してしまいたいくらい、今日の時間の流れ具合は最高だった。

ほんとうに、ろくでもない大人が多すぎる。
それに疑問を持たない若者が多すぎる。
あたしたちがどれだけ世間をわかっているのかなんて定かではないけど、
まともな人たちに、もっともっと出会いたい。
それとも、そんな人たちどこにもいないのかな。

アラーキー絶賛の写真論からSMDくんの品評(?)まで、
3時間飽きることなくおしゃべりしっぱなし。
HNちゃんのああいう笑い方、初めて見たんじゃないかな。
彼女のことを知っているようで、実は全然知らなかったのかも。
見えている部分だけで人を判断することはとても危険だということはわかってる。
けど、見えない部分を探りたいと思うような人物に出会うことは少ないし、
また自分も、向こうからそう思われるような人間なのかもわからない。
HNちゃんの切り取る映像を観たいと思うのは、
彼女自身を知りたいってことなんだろうなー、と思ってみたりする。
逆に、「ひろちゃんの写真が見たいなー」って言われたとしたら、
それはあたしに興味を持ってくれたってことになるもんね。

昂揚した気持ちを抑えることもないまま帰路につく。
25日に会うことを約束して別れた。

ふと思うことがある。
いまのあたしの写真には、何が投影されているんだろう。
焦り?いらだち?それともさみしさ?
OKくんの1周忌に捧げるつもりの作品には、愛おしさを映したい。
どれだけ君を必要としていたか。
彼を想って流した涙は、一体どのくらいなんだろうか。

1年前の今ごろも、こうして彼を想っていたなぁ。





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