風のひとり言
kaze



 記憶

記憶というものは、時に心の引き出しから取り出して、
刺激を与えてやるものかもしれない。
心の中にしまい込んだままにして置くと、
いつしか風化し消え去っていくようにも思える。

昨年、高校時代のクラス会があった時、旧友との歓談の中で「遠足」の話題がでた。
しかし、自分としてはその「遠足」どう考えても思い出せなかった(苦笑)
よほど印象が薄かったのか、行った事すら覚えていない。
ただ、だからと言って、
高校時代の記憶が全て抹消されているかといえばそんなことはないから・・・念のため。
ボケが始まったのかと・・・あせってはいるが(笑)
まぁ・・・今度旧友に、その時の写真を見せてもらう事で、刺激を与えようとは思っている。

昨日、久々に降り立った駅で、突然に10年程前の記憶が蘇った。
駅前にある病院の夜景を見て、そこで母親が生死を彷徨い、毎日のように見舞いに訪れたこと。
季節も丁度同じ今頃だった。
病院での会話や、状況など鮮明に思い出すことが出来た。

記憶は、無理に思い出そうと頑張ってみた所で、なかなか思い出せるもんじゃない。
何気ない場所であっても、その時と同じ場所に立ってみると、
記憶は勝手に心の中から飛び出してきてくれる。
そうやって、時に刺激を与えてやれば、
忘れかけている大事な何かを呼び覚ますことも可能ではないか?

だとすれば・・・
今自分は、どこに立ってみたいのだろう?


2002年01月08日(火)
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