ランキングはお好き?(2) - 2005年05月17日(火) 【あらすじ】 巷では病院ランキング本出版ブームが起きている模様。 でもアレって信じていいの?って言われたら、ちょっと自信ありません。。。 で、ペイペイなりに考えることを書き連ねてみようか、と思います。 とりあえず、私が個人的に”あやしいぞ”と思っているところ。 【1】アンケート投票は必ずしも公平でない →患者(…ってそもそもどういう母集団なんだろう?そこがまず不明瞭だけどさ)による 投票形式で、得票数の多い病院からランキングすることについて。 一見公平そうですが、この方法では患者数によるバイアスが生じます。 つまり来院/入院患者数が多くなければ上位に入ることが出来ない のですね。中小規模の病医院にもいいところは一杯ありますよ。 【2】いい病院にかかる≠いい医師にかかる →大学や病院ごとの流派(?)や得手不得手といった傾向こそあれ、 診療のレベルについては個人の技量に寄るところも大きいと感じます。 ああいったランキング本の上位にある病院の医師なら全員が全員 めちゃくちゃレベルが高いのか?と言われると、少々疑問。 (いや、勿論、ある一定のレベル以上ではあるでしょう。でもあの順番が絶対ではないよ、と) 【3】手術数が多ければいいのかという問題 →普通に考えれば、ある手技をこなせばこなすほど、上手になるものです。 ですから、件数が多いほど、その病院はその手術が得意だろう、という のは、ある意味では正解です。手術の分担の仕方によっては。 某手術の年間件数が500件のA病院と、250件のB病院があるとします。 A病院で術者となる医師の数は10人(均等に手術を割り振っているとします)。 B病院で術者をするのは3人。さて、一人当たりの数は? 病院単位で手術数を見ることで、見逃してしまう部分もあります。 また、年間手術数1000例のC病院では成功率が60%とします。 同様に300例のD病院では成功率が90%。これではどうでしょう。 【4】じゃあ成功率を見ればいいじゃん!って言われても →これもなかなか判断が難しいところです。 先ほどのC病院(件数1000/年,成功率60%)とD病院(300/年, 成功率90%)、実はC病院で手術を受ける患者さんは病気の進行度が 4段階の3〜4とより進んでいる方で、全身状態も良くないのですが D病院で手術を受ける患者さんは進行度1〜2の比較的早期で、 合併症なども殆どないとします。手術が上手なのはどちらでしょう? もうこうなってきたら、成功率って何よ?と思ってしまいそうです。 結局、流動的かつ曖昧な物を数値化しようとするとどこかで歪みが生じてしまう、ということでしょうか。そういえばレストランのランキングだって、1位より3位のところの方が美味しく感じることだってあるわけで。あっ、あと… ミスコンのグランプリよりも わたくしの方が美人だったりとかねっ♪ おーっほっほっほっ!!← 一生言ってろ …ま、アホな喩えはともかくとして、 どうやって病院を選んだらいいんですか? という問いへの正解は、、、 …正直言って、私にも分かりません。分かったら苦労しないっちゅーねん。 あっ、石投げないで…。お嫁入り前なんだから!きゃー(逃)!! 医療が人間対人間の行為である以上、そこに規格化された工業製品のような均一さを求めることは難しく、最終的には実際に受診して感触を見ることが一番のように思います。他人の推薦が、自分にも合うとは限りません。 一方ここまで批判を続けてきましたが、ランキング本も決定の一助になり得るものです。これまで多くの人にとって謎だった情報が(時々誤りや偏りがあったとしても)誰にでも手にとって見られる形になっているのですから。 皆さんが、溢れかえる情報に振り回されず、目と耳と感覚を研ぎ澄まして、ご自分に合ったいいお医者さんに出会えますように。 ...
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