直腸癌と乙女フィルター - 2004年12月01日(水) 先月半ば、チームを変わったことで、直接指導してくださる上級医の先生がMi先生@4年目新婚からOm先生@4年目モノマネ大王に変わりました。どちらも優しく教育熱心な先生方で、心密かに親しみを込めて『お兄ちゃんズ』と呼ばせて頂いてます。 唐突ですがOm先生は、某S武のM坂投手に激似なんですね。 どれくらい似ているかというと、 ★10人中9.5人は確実に『似てるよね』と言う ★患者さんがついつい名前を”M坂先生”と呼び間違えていたりする ★S武優勝翌日の病棟回診でボケ気味の患者さんに『よくやった!!』と讃えられていた …とまぁ、こんな具合な訳です。ご本人は嫌がるのですが、似てます。 さて。そんなOm先生と一緒に、直腸癌の50代女性を担当することになりました。ぽっちゃりめの上品なご婦人。 近県の某高級住宅街にお住まいで、最初はその近辺の某病院を受診されながら、何故か遠路はるばるこちらに転医したという奇特?な方です。 この方は直腸癌でもRbと呼ばれる特に低い位置に腫瘍があり、術式を低位前方切除術(※注1)とするかマイルズ手術(※注2)とするか、悩ましいところではありました。 (※1:低位前方切除術→直腸癌の術式の一。腫瘍とその周辺を取ったあと、骨盤腔の中で結腸と直腸を吻合するもの。比較的高い位置の直腸癌に適応) (※2:マイルズ手術→腹会陰式直腸切断術とも。低い位置にある直腸癌に用いる。直腸と肛門を切除し、人工肛門を造り、お尻は閉じてしまう) 一応両方の可能性をお伝えしておかなければならないということで、メイン主治医のOm先生が説明を行ったのですが、癌というだけでも辛いところに人工肛門を造設するかもしれないというのが不安だったのか、患者さんは泣き出してしまい、それを主治医二人で宥め宥め説明を終えました。 落ち着いた頃を見計らって、身体所見と問診のため病室を訪問。 入院されるまでのお話を伺った訳なのですが。 『●●市民病院からですか、あちらも随分立派な病院ですよね』 『前の病院では…先生が…(以下、前医の対応の悪さを延々と語る)』 『…それは大変な思いをされたんですね、それでこんなに遠くまで?』 『そうなんです!でも、ここにして本当に良かったわ。皆さんすごく親切だし…。それにOm先生は、本当に素敵な方ですよね…さっきの説明も丁寧にして下さって、覚悟が決まりましたし。上品で…それに爽やかで…』 『S武のM坂選手に似てるって、よく言われてますよ』
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