2014年11月08日(土) |
覆面企画6 後書き(1) |
やっと後書きテンプレ回答です。 長いので、何回かに分けて書きます。 まずは前半、自作語りの部分だけ。
■作者名
冬木洋子
■サイト名&アドレス
カノープス通信 http://www.geocities.jp/canopustusin/
■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
E04 酔夢春秋 http://maskpjt.wp.xdomain.jp/block-6/e-block-6/e04/
■ジャンル
和風メルヘン(?)
■あらすじ
火球の火花から生まれた童形の鴉天狗・酔夢童子が、里の少女『ちさ』と仲良くなって、いっしょに遊んだり、火事から助けたりする話。
■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=64893&pg=20140831
■推理をかわすための作戦は?
まずは探偵諸氏にお詫びをしたいのですが……『”天狗の庭”』の『” ”』は、わざとじゃなかったんです! 普段なら< >か『 』を使うところを引用符にしたのは、そこを推理の手がかりにされるのを防ぐためで、フェイクといえばフェイクでしたが、かといって、そこで何か普通と違う記号使いをして探偵さんを混乱させようという気は全くなく、ただ、なるべく一般的な記号にしとこうと思っただけなんです。 で、自分では一番普通だと思って使ったのが、『” ”』。 よく考えてみたら、普通は『“ ”』ですよね……。 自分が普段、もし使うなら『” ”』なので、うっかり地が出ちゃいました。
なので、途中で指摘された時には、(しまった、これでバレる!)とガクブルしたのですが、もしかしたら私、もし引用符を使うなら『” ”』にしただろうっていうだけで、作品内では使ったことが無かったのかもしれません。
そんなわけで、あれは素で使っちゃっただけで、たまたま小林さんがそれを使ってるなんて知らなかったし、そもそも小林さんと同じブロックになるなんてわからなかったから、別に小林さんに偽装するつもりとかじゃなかったのです。あたりまえだけど。
最終的にはそれで小林さんと間違えた人はいなかったみたいだけど、途中で余計な混乱を呼んでしまってすみませんでした。 探偵さんたちがツイッターで「小林さんのサイトにこの記号が!」と、ザワ、ザワっとなってるのを見て、あわあわしてました。
あとは、文体フェイク。 いかにも『堂々のフェイク作』っぽく見えそうな奇矯な文体を心がけることで、あわよくば誰か他の方のフェイク作品と疑ってもらえないかなあ……と。
でも、実は、フェイクというより、一文の長さ的には、こっちのほうが私の本来の文体なのかもしれません。 今まで、私、毎回のように、自分の特徴である長文を封印しようと試みては挫折してたので、自分にはいくらフェイクのためでも短い文は書けないと諦め、逆転の発想で、普段よりもっと長い文章を書いてみることにしたら、今度は簡単に、いくらでもだらだらと伸ばせてしまったのでした。 本来、私には、あのくらいの長文が一番書きやすいようです。 普段は、これでも一応、常に我慢して抑えてる状態だったんです。 リミッター外すとこうなるらしいです。
読点が少ないのは、フェイクではなく、単に、文字数を節約するためです。 (あと、最近は、普段から、以前と比べると読点が減ってきているようです) 漢字が多いのも、文字数節約のためが大きいです。 最初はひらいていた単語を片端から漢字に変換したら、だいぶ文字数が減りました。
あと、難読字にもルビが一切ないのも、ルビの扱いから足が付かないためもありますが、主に文字数節約のためです。サイト掲載時には『弱法師(よろぼし)舞』とか『柿衣(かきぞ)』とかの特殊な用語にはルビを振りたいと思います。 それくらい、最初から文字数ギリギリで、がんばってなんとか規定に収めました。
それから、こういう古めかしい文体のものを書いたのは、もちろん内容に合わせてのことなんですが、加齢臭で身バレするのを防ぐための対策でもあります。 前回(ヘブンリー・ブルー)はわりと若作りでしたが、実体が年寄りなもので、私が書くものには、どうしたって加齢臭が滲み出てしまうから、これも逆転の発想で、全体を思いっきり古めかしい雰囲気にしてみました。 木を隠すなら森の中、ハゲを隠すなら丸坊主、加齢臭を隠すなら古めかしさの中(笑)。
■作品のネタを思いついたきっかけは?
実は、私、幼少時からの、年季の入った鴉天狗マニアなのです。 子供の頃に持ってた牛若丸の絵本の一ページに、牛若丸に剣術の稽古をつける鴉天狗の絵があって、それがすごく楽しそうで、牛若丸ではなく鴉天狗が私のヒーローになったのです。
だから、もともとは鴉天狗限定で好きだったのですが、鴉天狗と普通の人間型天狗を分けて扱うのは難しいので、天狗全般について興味を持ち、高校生の頃から、地元の図書館で柳田國男全集などを次々に借り出すだけでは飽きたらず、わざわざ遠くの都立図書館に通って民俗学関係の本を借り漁ったり、ささやかなお小遣いをこつこつ貯めて何万円もするマニアッックな豪華本を買ってしまったりしてきました。 (ちなみに、ずいぶん昔のだけど今でもサイトで公開してるこの記事の下のほうで、私が天狗愛を熱く語っております(^^ゞ)
で、「火……、火……」と考えているうちに、火伏せで有名な愛宕や秋葉の天狗のことを思い出し、(天狗の正体として火球説もあることだし、天狗でいこうかな)と思いつきました。
さらに、この際、自分が中学生から高校生の頃に設定だけ考えていたオリキャラ、鴉天狗の『酔夢童子』を、せっかくだから出演させてやろうかと。
たぶん私の最古の持ちキャラの一人なんですが、中高校生とかによくあることで、脳内でキャラ設定を考えて、大学ノートに色えんぴつでイラストを落書きしただけで、お話本体は書けないまま、それからずっと、何十年も(笑)脳内にストックしてあったのです。 その、愛着ある死蔵オリキャラに、この機会に日の目を見せてやろうかと……。
元設定では、たぶん、見た目年齢13〜4くらいだったんですが、今回、話の内容に合わせて年齢を(見た目、精神ともに)下げました。 あと、元設定では鞍馬山の出身で、心酔している師匠は鞍馬山の僧正坊だったのですが、話の内容に合わせて、火伏せで有名な愛宕山の所属に変え、それに伴い、師匠も愛宕山の太郎坊に変わりました。
そんな若干の修正はあるとはいえ、まさかこんな大昔のオリキャラに日の目を見せてやれるとは……! 企画のおかげです、ありがとうございます
ちなみに、酔夢童子の名前の由来は、『酔生夢死』です。 命に限りがないからこそかえってその生は一場の夢のよう、決して成長しない彼は、まるで醒めない夢に囚われて夢の中で生きているかのよう――ということで。
■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
書きたいエピソードの並べ順と、制限文字数で収めるのに苦労しました。
あと、ストーリーの構築じゃないけど、キャラに方言を使わせるべきか、使わせるとしたらどこの方言なのか、悩みました。
この山があるのはたぶん北関東から東北にかけてのどこかだと思うのですが、酔夢童子は宇宙出身(笑)だし、子供時代を京都で過ごしているし、一体どこの言葉をしゃべられせるべきなのか……。 もし酔夢童子を京都弁にしたら地元の子供はどうするのか、太郎坊はどうなのか、そういえば天狗たちがそれぞれ地元の方言をしゃべっているとしたら、全国規模の天狗集会での意思の疎通は……? そしてそもそも、どこの方言にするにせよ、私には方言のセリフが書けない……。 (方言変換みたいなサイトもあるのですが、ちょうど良さそうなところが無かった)
というわけで、結局、おおよそ標準語で適当に済ませました。 本当は、味わいのあるどこかの方言を書きたかったです……。
■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
本当は、童子が山葡萄を食べるシーンをぜひ入れたかったのですが、書く前から、書いたら文字数がオーバーするとわかっていたので書かずに諦めました。 木からぶら下がってる山葡萄を、童子が、飛びながら、手を使わずにハチドリみたいに嘴でひと粒づつ掠め取っては食べるという一人遊びをさせたかったのですが……。
子供の頃、なぜか、鴉天狗はきっとそうやってブドウを食べるのだと想像していて、種無しブドウを食べるときに、『鴉天狗ごっこ』と称して、顔の上にブドウの房をぶら下げてパン食い競争みたいに手を使わずに食べるという、お行儀の悪い遊びをしていたのです。 口をくちばしみたいに尖らせて、一粒ずつ……。 (そんな行儀の悪いことしててよく親に怒られなかったなあと思うけど、もしかして、怒られてたけど怒られたことを忘れだけかも(^^ゞ)
■その作品の続編または長編化のご予定は?
ないです。
■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
東北弁(?)の天狗が赤ちゃんを拾うシーン。 でも、このシーンに力を入れすぎて、端役の東北弁天狗が目立ってしまい、肝心の太郎坊の影が薄くなってしまいました……。
|