2014年10月27日(月) |
覆面企画6 Dブロック推理経過と答え合わせ |
Dブロックは、推理経過をまだ書いてないので、推理の理由と結果と答え合わせをまとめて、作品ごとにやってしまおうと思います。
まずは推理結果と答え合わせ
D01 とある罪人の告白 ◯空地大さん D02 顔(※注 ◯和泉有穂さん D03 Gore -青き死神- ×茅さん →正解:和さん D04 アマヤドリズム ◯曽野 十瓜さん D05 記憶 ×碧さん →正解:耀華さん D06 ひだね ◯鈴埜さん D07 Waiting For The Fire Never Come ◯綾瀬翔さん D08 火童子 ◯真空中さん D09 焦げた着物の少女 ◯恵陽さん D10 灼かれた者(※注) ×耀華さん →正解:於來 見沙都さん D11 葬送 ×於來 見沙都さん →正解:茅さん D12 業火 ×和さん →正解:碧さん
このブロックは難しかった! だからすごく頑張って推理したけど、やっぱりさんざん外してた!
まず、D01。 特に第一印象で当てはまる人はいなかったし、明らかなフェイク作に見えて検証も難しそうだったので、ずっと空席のまま後回しにしていました。 途中、文体の印象やどんでんがえし性から鈴埜さん、シニカルな作風から碧さん(サイトの作品中にに『ございます』口調の語りもあって、その文体がけっこう似てる気がした)などを考えてみましたが、推理していくうちにいずれも他の作品にあてはまってしまい、最後のほうになって、ほぼ消去法に近い形で空地さんが候補に上がってきました。 その時点でも、(えっ、空地さん? あんまりイメージじゃない気が……)と、自分の推理ながら半信半疑だったのですが、よくよく文章を見た結果、やっぱり空地さんのような気がしました。 細かな物証も何かしら見つけたはずなのですが、メモがとっちらかって分からなくなってしまいました……。
D02は、第一印象では於來さんでした。 土俗的な雰囲気が於來さんぽいし、狐のお面なんて、いかにも於來さんが書きそうな気がして。
でも、題材的にはいかにも於來さんが書きそうだけど、近くによって文章をよく見ると、何か違う気が。 於來さんはこの世界観だと使わないんじゃないかなと思うような言葉も多くて、他ブロックの推理で何度も思った、『同じデザインの絹のシャツと麻のシャツ』的な風合いの違いを感じたので、於來さんは却下。
その後、和泉さんの他に碧さん、和さんあたりを考えて見比べた結果、『にこりと笑んだ』『かぁぁぁっと身体が』『にぃと』『嗤った』『息をのむ』『匂いたつ』『だぁれも』など、言い回しや変換の一致率が非常に高かった和泉さんに確定。正解でした。
03は、第一印象では全く茅さんを思い浮かべもしなかったのですが、ツイッターで盲管さんが茅さんだろうと言っていたので、そうかなあ……と思って腑に落ちないままに一応検証してみたところ、あちこちが無視できないほど一致しているという現象が起こってしまい……。 茅さんはとても作風の幅の広い方ですが、ハードボイルド的なものを書いた時の文章に03との共通点が多く(今思えば、別に茅さんの特徴というわけではなく、単にハードボイルド的な文体の特徴だったのでしょう)、また、『掌』など漢字変換や言い回しにも共通するものがあり、中でも『言う』を平仮名で『いう』と表記するというのが決め手になって、相変わらず腑に落ちないものを感じながらも、物証を信じて茅さんに確定。
……たぶん、ここが、このブロックのボタンの掛け違いの始まりでした(^^;) ここを
04は、第一印象から、はっきりと曽野さんでした。 『あ、曽野さん、ここにいたじゃん』みたいな。 一度も他の人だと思いませんでした。 でも、ずっと、ちゃんと検証しないで決めてはいけないと思い続けて、でも、明らかな証拠というのが出てこないので、心のなかでは最初から曽野さんだと信じているのに、ここを曽野さんに確定するわけにはまだいかない……という状態で。
一応、他に候補だったのは、空地さんです。 絶対音感、音楽を志しての挫折など、前回の覆面作とのモチーフの被りっぷりが激しい上に、『くちびる』というわりと珍しい表記。 でも、曽野さんも、漢字の開き具合は作品に合わせて変えてるので、『くびちる』もありだと思ったし、あまりにもあからさまなモチーフ被りは、逆に、続けて同じようなものは出さないだろうという否定材料とも受け取れます。 それに、空地さんがこういう疲れた社会人主人公を書きそうな気がしなかったし、あと、カラコンのバンド少年も、空地さんのキャラじゃない気がしました。 むしろ、ああいう、イマドキボーイを、まるで本当にそこらのコンビニにでもいそうに活き活きと描くのは、曽野さんのお家芸では……?
その他にも、曽野さんらしい点としては、一人称の主語の省略が多めなとこ。 前回の『俺 in QQ 24時』にも通じるポップで洒落たタイトル。 重苦しい怨念をリアルに描くけど、それを作中で昇華して、ちょっといい話で終わるとこ。 特に何か具体的に解決したわけじゃないけど、主人公の心境が変わったことで、少し元気が出る、良い後味になってるんですよね。 最初と最後に同じようなシーンやセリフを持ってきて対比させて主人公の心境の変化を見せるという、まるで短編の見本みたいな、教科書的にテクニカルな構成。 QQでは、最初と最後に同じコンビニのシーンがあって、今回は『疲れた』のセリフが繰り返されて、でも、最初の時とは主人公の心境が変わってるから、同じシーンやセリフが違う意味を持つようになってる。
最初からもう、これらのことから曽野さんと確信していたわけですが、毎回そういう思い込みで痛い目を見ているので(笑)、一応探した物証は、『足許』という変換。 漢字を開くか開かないかはその時どきで違っても、閉じる時にどの変換を選ぶかは比較的一致しやすいかと(それでも揺れることもあるけど、ここはわりと揺れにくいところな気が……)。 あと、第二回の『星の音見つけて』で、おじいさんの民謡の発声「はぁああああぁああぁああ」と似た『はぁあ〜』という声を、『悲鳴なのか民謡なのかよくわかんない声』と書いてました。 物証弱いですが、とにかく、物証探し以前に確信してたので……。
あと、そうそう! 曽野さんは、今回の作品をテーマ発表前から書き始めていたとのことで、火というお題の消化が薄めのところも補強材料でした(笑) これだけ確信してた曽野さん、当たってて良かったです! (今回、かなり確信した上で外した人が本当に多かったので……(^^;))
05は、最初は、正解である耀華さんを当てはめたんです。しかも、かなりの確信を持って。 理由は文体。 その時は、『ここはこれで確定だな!』と思ったくらいなんですが、碧さん、和さん、空地さんあたりをいろいろと動かした時に、いっしょに移動してしまい、最終的には外すことに……。残念でした!
06は、推理のしにくい童話調ということで、他の推理がかなり進むまで後回しにしていたのですが、途中で、そろそろ確定しようかと、その時残っていた人の中から候補を選ぶ手がかりにしたのが、『気付く』という表現。『気がつく』『気が付く』と書くことも出来る箇所で、かならず『が』が入らない『気付く』を使ってたんです。 で、それに合致したのが、すずのさん。
それでよく見てみると『瞳を』細めたり閉じたりするより『目を』細めたり閉じたりすることが多い、目を『開け』ずに目を『開く』ことが多い、『だが』のあとに読点が来ることが多い、『一刻もしないうち』など、一刻をけっこう多用している、『黙したまま』の使用例もあるなど、物証が続々と。
そういえば、『アラナのノノ』なんていう可愛らしい語感のネーミングも、『魔法使いキィとク・ルゥ』のセンスと通じる気がするし、絵本風の平仮名分かち書きも、今まさに二歳の坊ちゃまを育児中のすずのさんなら、ちょうど馴染みがあるんじゃないかと……。
07は、最初から一目瞭然で綾瀬さん! 何の小細工もなく、正々堂々の綾瀬さん! あらゆる面で綾瀬さん! 一応、漢字変換等の物証も集めましたが、サイトと作品を見比べていくと次々合致していったので、そういえばメモを残してませんでした。ごめんなさい。
08は、最初、冒頭の旧字にびっくりして、誰かの大フェイク作(というか、あえて普段と違う書き方に挑戦した野心作)だとばかり思ったのですが、作者さんのサイトを見ていくと、真空中さんのサイトに、びっくりするほどそのまんまの作風の作品が……。 あらゆる点で、そっくりだったので、一目で確定。
09は、一番最初に確定しました。 第一印象で恵陽さん臭を感じた理由は、男子学生の、いまどきの男の子にしては若干重々しい口調と、キャラがよく『にっこり笑』うこと。 で、調べてみたら、変換癖や用語など、物証はいくらでも出てきました。 恵陽さんの検証はツイッターで実況中継したから、もういいかな。
10は、最初、空地さんを当てはめました。 理由は、テーマ。 ファンタジーとしてのBLじゃなく、真正面からセクシャルマイノリティの問題を扱っているのが、サイトにある作品と共通したので。 でも、よく読み返すと、またまた『同じデザインの絹のシャツと麻のシャツ』的な違和感が……。 たとえば、『男にしては赤過ぎる唇をべろりと開け』みたいな、妙な生々しさが、空地さんっぽくない気がしてました。 同じテーマでも、空地さんが書いたら、もっと透明感がある、きれいめな雰囲気になるんじゃないかな、と。
このあたり、実は作者が於來さんと知って、大いに納得です。 外した私が言うのもなんですが、そういう、一種の生々しさというか、的確が表現が見つけられなかったのですが、良い意味での『汚れ感』みたいなものは、於來さんの持ち味だと思うので……。
なのになぜ、空地さんをここから外した後に、於來さんを持ってこようと思いつかなかったのか……orz
かわりに、ほぼ確信していた05から断腸の思い(笑)で外してまで耀華さんをここに当てはめた理由は、変換や語彙のささいな一致や、あとはたぶん、女性の口調だったと思います。 現代もので女性が女言葉を話す人は少なく、耀華さんは、いつもじゃないけど時々微妙に女言葉入ってたような気がして……。
11は、於來さんにしていたのですが、セリフ周りの処理の他には特に根拠はなく、10を他の人にしてしまったら他に於來さんの行くあてがなかっただけだったような。 当てはめてみてからも、於來さんだという明確な理由はないけど違うという理由もなく……みたいな感じだったかと。 於來さんらしいといえば於來さんらしい気もしつつ、でも於來さんこういうおばあさん書くかなあという気もしつつ、でも於來さんは何しろ前回(だっけ?)完全犯罪を成し遂げた人なので、何でもアリかな、と……。
親しい人の作品を当てられなかった時って、だいたい、正解発表後に、「言われて見ればめっちゃ◯◯さんっぽかった! なんで気が付かなかったんだろう!」って思うんですが、於來さんのロボットのやつだけは、いま読んでも、「えっ、そうなの……?」って感じなんですよね。 だから、於來さんだったら、まったく於來さんだとわからないものでも書けてしまうんじゃないかと……。
でも、ここは茅さんだったのですね! そういえば、ものすごく茅さんっぽかったです! おばあさんのキャラとか、和菓子とか! (↑正解発表後のいつものパターン……)
そして12は、碧さんでしたか! 和さん、碧さんは、さんざんぐるぐる置き換えあって、最後まで迷っていたのです。 最終的には、ささいな変換癖や語彙の一致でむりやり割り振りましたが、(この変換は和さんと共通してるけど別の変換は碧さんと共通してる、でも、この言い回しがあるのは和さんで、この部分は碧さんで……)みたいなのばっかりで。 最後の最後まで迷って、結局、特に確信もないまま、しかたなく賭けにでましたが、結局外してました……。残念!
最終的に和さんにした理由は、やっぱり、ささいな変換癖だったろうと思うのですが、今メモを見なおしても、根拠になりそうな変換は、碧さんと和さん、どっちも同じだったりして、今となっては、取り違えた理由すら分かりません……(^^ゞ
せめて、けっこう確信のあった耀華さんさんを05のままにしておけばよかった……。
正解率は7/12でした。
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