時々管理日誌
時々だけ書く管理人の日誌です。
サイト運営や創作について、日々の雑感など。

2011年10月31日(月) 覆面企画5後書き(その1)

やっと覆面企画の後書きテンプレ回答を書き終わりました。
なんとか10月に間に合った……。
推理期間が終わりに近づいた頃、ツイッターで『私の覆面企画は推理期間が終わっても当分終わらない。10月の末頃に掲示板に後書きのURL貼りに行ったら、もう誰もいなかったりしたら寂しいな……』みたいな話をしていたのですが、本当に10月末になってしまいました(^^;)
でも、掲示板には、まだぽつりぽつりと感想や後書きが上がり続けているので、寂しくなくて良かったです!

というわけで後書きですが、まずはじめに、お詫びしておきます。

不特定の方が否応なしに見ることになる企画の場で、人によっては嫌悪感を持つだろう題材(二次創作・腐女子)を持ってきてごめんなさいでした。
でも、このネタは、物書きさん――しかもオタク率・腐女子兼任率の高いネット小説書きさん――が集まっているこの場でこそ共感してもらいやすいネタだと思うので、私としては、これをこの企画に持ち込むことが出来てラッキーでした。
創作者属性のない人にはテーマに共感してもらいにくかっただろうし、オタクじゃない一般の人が多い場では、そもそも用語がわからなくてネタを理解してもらえない確率が高かったと思うので……。

あと、もう一つ。
『ファエロ』と『フラスコ』は単なる誤字&脱字です……(T-T)
もちろん『ラファエロ』と『フレスコ』です。
あんなに何度も見なおしたのに、なんでこんな派手な誤字が……orz
自分の節穴ぶりに、がっくりです。
ご指摘くださった方、ありがとうございました。
何しろ公開された後も、感想でご指摘いただくまでずっと気づいていなかったので、ご指摘がなければ、サイトにもそのままUPしちゃったかもしれません……。
助かりました!

それと、もう一つ、あらかじめ謝っておきますが、この後書きは、ものすご〜く長いです!
きっと参加者中最長です!
レンタル日記の文字数制限に引っかかってしまって、二回分にわかれているくらいです(^^;)
なので、興味のある部分だけ適当に流し読んでくだされば……m(__)m


■作者名

冬木洋子

■サイト名&アドレス

カノープス通信 http://www.geocities.jp/canopustusin/

■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス

B01 ヘブンリー・ブルーはここにある
http://maskwriter.web.fc2.com/5/sakuhinac/b01.htm

■ジャンル

腐女子コメディ? 現代ファンタジー?

■あらすじ

気がつくと死んでいて、天国の門の入場待ちの列に並んでいたヒロイン(腐女子)。
門番の天使たちに、現世に心残りがありすぎてこのままでは天国に入れないと告げられ、心残りを解消するためにいったん地上に戻されることに。
彼女の心残りとは、描きかけだった同人誌の表紙イラストだった。
ほとんど完成しているその絵の、背景の空の色だけがどうしても気に入らず、試行錯誤している最中の突然死だったのだ。
垣間見てきた天国の空の色を絵の中に再現すべく、彼女は猛然と制作を再開する。
究極のヘブンリー・ブルーを表現するために、彼女が取った方法とは……?


■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=64893&pg=20110901


■推理をかわすための作戦は?

腐女子や同人誌という意外な題材。
私に腐属性が無いのは付き合いの長い知り合いはだいたい知ってるし、知り合いじゃなくてもサイトを見ればBL臭が無いのはすぐ分かると思うので、その私が腐女子をヒロインにすれば、それだけで、とりあえずの煙幕にはなるかと思いました。

そうなんです、実は私は腐属性はほぼ皆無で、二次同人の経験も無いし、絵も描かないのです。

絵については、まあ、大昔は多少は描いたことがありますが、少なくともCGは一切経験ありません。
画像関係は、フリー素材やいただきものイラストを加工してサイトのバナーやタイトル画像を作る程度で、あとは、今回、資料のために検索してたどり着いた二次絵師さんのためのCG講座みたいなサイトを、ふむふむと眺めてきただけです。

あと、昔、サイトを初めた最初の頃にオリジナル創作でコミケに出たことはありますが(手作りのコピー本を数冊だけ持ってってネットの知り合い数人がそれを買ってくれたという、コミケ最小最弱レベルのサークルでした(^^ゞ)、二次同人の経験もありません。

ただ、昔、夫のサークル(not二次)の売り子としてちょこちょこイベントに出てた時期があったり、リアル知人の中に同人(腐含む)やってる人もいたりと、自分がその世界にどっぷりだったことはないものの同人界とは長年付かず離れず隣接してきたし、ネットのオンノベ仲間の中にも二次もやってたり腐属性もあったりする方が大勢いるので、なんとなく馴染みはあります……という程度なのでした。

なので、同人経験のある方に『あるある』的な共感をいただいたり、作者は腐女子か元腐女子だとか、二次同人の経験がある人と言ってもらうたびに、心の中でありがとうと手を合わせていました!

あ、あと、CMYKは、夫の協力です。
実は夫が絵描きなのです。
同人絵師ではなく普通の画家で、絵もCGではなくアナログですが、技法によっては行程の一部にフォトショを使う場合もあったり、描き上がった絵をスキャナで取り込んでグッズ用などに加工することもあるので、うちのPCにはフォトショ正規版が入ってます。夫のだから私は一切触らないけど(私は別の古〜い低性能ソフトを使ってる。今どきフリーソフトのほうが性能良さそうだから乗り換えを検討中)。

そんなわけで、普段は夫に自分の書いたものを見せないんですが、今回は、事情を話して、「主にテクニカルな面で本職から見て不自然な点はないか」と、チェックをお願いしたのです。
そしたら、「特に不自然な点はないけど、ここでこのコードだけじゃなくCMYKもいれると、より専門的っぽく見えるんじゃないか」とアドバイスしてくれたのです。
この作戦、けっこう効果あったように思うんですが……。
(ただ、このCMYKはちょっと違う?という情報もあったので、専門的っぽく見せるため以外には特に存在意義もないことだし、サイト掲載時には削ろうと思います。コードだけで充分だと思うので)

それ以外には、特にフェイクというほどのことはしていません。
題材選びの段階では意外性を心がけましたが、いつもどおり、いざ書き始めたら後は普通に『自分の作品』として全力投球なので、良くも悪くも私そのままです。
文章の悪い癖も出まくりですが、悪い癖を自在に隠せるくらいなら、とっくに悪いところを改善して、普段からもっと上手くなってます……。

今回、枚数ではなく文字数制限だということで、せっかくだから改行は頑張って増やしてみましたが(でも成功したのは冒頭だけ(^^;))、台詞の前後に一行開けるとかは、普段から、作品によっては、やってます。

ただ、『頬笑み』という変換だけは、普段使わないのですが、これも、フェイクのためというより、使ってみたかったから……というか、この場合、これが相応しい気がしたから使ってみただけです。
でも、もしかしてフェイクにもなるかな〜と密かに期待してましたが、特に役立たなかったようです(^^ゞ

あと、普段なら『――』で補足するところを( )にしたのが、なけなしのフェイクのつもりだったのですが、これもフェイクとして機能しなかったような(^^;)
そういえば日記やツイッターでは、しょっちゅう( )使いしてるし。
( )のあとに『。』をつけるのも、いつもやってます(この記事のちょっと上のほうでもやってる。ていうか、この文章で今やってる(^^ゞ)。
こんな風に、小説より、むしろ日記やツイッターでよくやってるかも。

というわけで、今回は、雰囲気作りのために文章自体を造り込んでいた『サヌザと共に』の時と違って、小説用より日常使いのものに近い素の文章なので、過去作品よりツイッターや推理日記を見たほうが推理の参考になったかも?

あと、半角『!?』はフェイクのためではなく、
(覆面企画の時は毎回、外出先で読む人が多い。そういう場合、電子読書端末などで縦書きで読むケースが多いのではないか。そうでなくても、そういえば最近はそういうケースが増えているのではないか)と思って、その場合、全角『!?』だと『!』と『?』が一文字ずつ縦に表示されてしまうのではないかということに思いいたって、対策してみました。
今後はサイトでもそうしようかなと思って。
……でも、後になって、はたと気づいたんですが、もしかしてこれって、縦書きで見るとそこだけ横向きに表示されたりするんでしょうか……?
それくらいだったら、縦並びのほうがマシ?(^^;)
機種等にもよるとは思うんですが……。

あ、それと、もうひとつ、推理を躱すためといえば、『ピザ』という言葉!
これは、よもぎの森さん対策です!
よもぎの森さん専用のフェイクだったのです!
なぜかというと、『マッチョ』と『メタボ』という単語を使うと、森さんに見つかるからです。
森さんの頭の中で、『マッチョorメタボといえば冬木』ということになっているらしいのです(実際、言われてみれば確かに、よくネタにしている気がします(^^ゞ)。
なので、メタボではなく、あえて『ピザ』。
意味が分からなかった人がいるみたいで申し訳なかったですが、ふくよかさんのことです。
森さん対策と同時に、普段自分が使わないようなスラングをあえて使うことで、オタクっぽさの演出を試みました。


■作品のネタを思いついたきっかけは?

(色、色……。好きな色なら青かなあ……)とか、(色といえば絵描きさんの話とか……?)とか、ぼーっと考えてるうちに、なんとなく、(……じゃあ、絵描きが空の青を表現しようと苦心する話?)と思って、(どうせならその絵描きを腐女子の同人絵師にしとけば良いフェイクになるんじゃないか)と思いつき、その色を『ヘブンリー・ブルー』にしようと思った所で、『天国=死にネタ』→『死んだ絵師が描きかけの絵を完成させにこの世に戻ってくる』と思いつき、そしたら結末はどうなるんだろうとぼんやり考えているうちに、自然と、『背景の空の色を表現するために人物の表情に手を入れる』というオチを思いつきました。
すとんと腑に落ちたという感じ。

そのオチが浮かんだのは、小説を書く時の手法からの連想です。
例えば、超美人を描くのに造作の詳細を描写するのではなく周囲の反応を描くとか、料理の美味しさを表現するのに味そのものを説明するのではなく食べた人の笑顔を描くとか、それと同じです。

そういう創作論みたいなのって、正面切って語ると、一歩間違うと「あの程度の実力で偉そうにw」みたいになりかねないんですが、小説の話としてではなく絵に託して、かつ腐女子ネタで笑いに包んだから許されたんじゃないかと……。

でも、彼女はそれで究極のヘブンリー・ブルーを描ききることができたけど、私の小説の中では、まだ、彼らが見上げる空の美しさが充分表現しきれていないと思うので、その部分、どこまで理想に迫れるかはわかりませんが、加筆修正にて対応したいと思っています。


■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。

いずれもほとんど本能で、意識せずに自動的にやってた調整ですが、そういえば気を使って調整してた点がいくつか。

ヒロインが既に死んでいるという設定ですが、そこは話のメインではないので、暗くせずにさらっと流したく、そのために、天国の門にたどり着いた時点で既に通常の感情は浄化されていると設定しました。
でなければ、さすがに、そこで泣いたり騒いだりせずあっさり納得しちゃうのはヘンなので(^^;)
これについては、文字数制限の関係もあって言及があっさりすぎたようなので、加筆修正の際にはもう一言二言足して強調しておくべきかなと思います。

あと、この設定には、他にも、『一通りの感情は浄化されてるはずなのに、それでも消え残っているほどの強い執念』として、ヒロインの絵への情熱を強調するという役割もありました。

あと、ヒロインにとって一番の心残りが同人イラストであるというのは、これも普通に考えればさすがにちょっと人としてどうかと思われるはずなので、その『人としてどうかと』度をある程度軽減するために、設定上の工夫をしました。

まず、ヒロインが死んだのが熱中して絵を描いてる最中だったということ。
それだったら、死んだ瞬間に夢中でやっていたことの続きが心残りになってても自然じゃないかと。

さらに補強として、『ヒロイン非リア充+コミケで壁』設定。
いくら絵が好きで、たまたま絵を描いてる最中に死んでも、例えば彼女が愛する人との結婚式を間近に控えていたとか、子どもがいたとかだったら、最大の心残りが絵というのはさすがに共感しにくいでしょう(というか、共感できないほうが人として真っ当かと(笑))。
なので、彼女は一人暮らしで親とは疎遠(ただでさえちょうど人生の中でもっとも親と疎遠になりがちな時期な上に、元から不仲気味)、恋人もいない(じゃなきゃ作中で『家族のこと、仕事のこと、友達のこと……』と列挙した時に彼氏のことを持ち出さないわけがない)、本人の申告通り同人活動での成功以外には特に華々しいこともない、本人曰く『たいしたことな』い人生だったという設定に。

そのかわり、同人活動では、コミケで壁際に配置される(=行列が出来る大手サークルの証)ほどの大成功を収め、人気を得ていたということにして、そこでは良き友にも恵まれて楽しく充実した活動をしているという、同人だけが生きがいになっていても無理もない状況を用意しました。

が、これについては、桐生愛子さんが感想の中で(いろいろと身に余るお言葉をありがとうございます!)、本を出せば出すほど赤字みたいな弱小サークルで、それでも「好きなんだもん!」というほうが……と仰ってるのを見て、確かに、それもまた良かったかもしれないと思いました。
それだと、『たとえ人から認められることがなくても、なんの得もなくても、それでも好きだ、描かずにいられない』という情熱の純粋さ、愛の強さ、心意気の潔さが、より鮮明に表現できたことでしょう。

たぶん、創作をしない一般人からの共感度合いでいえば、人気サークルであったほうがまだしも理解されやすく、一方、自らも創作をする人は、『それでも描かずにはいられない』という純粋な情熱に、より共感するのではないかと思います。
その点で、桐生さんのご感想は、まさに、創作する人の感想だなあ、と……。
他の皆さんの感想も、総じて、創作する人ならではの感想で、本当に、この話をこの場に出せて良かったと思います。
他の、書き手がメインではない場所では、ここまでの共感を得ることは、たぶん出来なかったでしょう。

あ、あと、ヘブンリー・ブルーの具体的な色調を説明しなかったのも、ちょっと工夫した点です。
コードを載せたので、中には実際に色を見てみた方もいるようですが、コード通りのヘブンリー・ブルーというのは、意外と薄い、ちょっとブルーグレーっぽいような色らしいのです(うちのモニターでは)。
でも、たいていの人の頭の中では、ヘブンリー・ブルーは、あの有名な朝顔の色なんじゃないかなと。
朝顔のヘブンリー・ブルーを知らなくても、普通は、なんとなくもっと濃い、抜けるような青空色を想像するんじゃないかなと。
私の頭の中でも、ヘブンリー・ブルーは、あの朝顔の色です。
なので、その乖離をカバーするために、あえて具体的な色調への言及は避けました。
そうすることで、みんなが、自分が一番綺麗だと思う青空の色を、それぞれの心の中に描いてくれるように。

あ、あと、もう一つ、これは意識的に気を使った点。
言うまでもないことですが二次創作は著作権的にグレーゾーンですので、フィクションの中でとはいえ、あまりおおっぴらに賛美するわけには……表現者の矜持は矜持として、それとは別の次元でそれなりの弁えは必要かと……というわけで、ヒロインが二次創作しているジャンルは二次創作公認が明言されているジャンルであるということに、さりげなく言及して逃げ道を確保しておきました(^^ゞ
(ちなみに、そういうジャンルは、主に原作がゲームである場合に、実際にあるようです)
そして、一般的にはグレーゾーンである他ジャンルのことには、あえて一切触れませんでした。

オトナ的な保身ですが、そのほうが、読んでる人も余計な心配をせずに安心して楽しめるのでは?
ちなみに、彼女んちの押入れの同人誌も、全部彼女の活動ジャンルの本で、公式公認なので、ご安心ください!(笑)


■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。

削ったというのではないのですが、文字数の関係で採用を断念したアイディアが。

上で書いたように、この作品は、だいたい書き上がった時点で夫に事情を話してイラスト関係についてのアドバイスを仰いだのですが、その時、ついでに、行列のシーンでヒロインに「これは『ラーメン次郎』の列?」と言わせるというアイディアを出されて。
なんで『ラーメン次郎』なのかというと、そこはとても量が多いことで有名な店なので、ヒロインがそういう高カロリーな店で頻繁に外食していることを示唆することでヒロイン=ピザ&不健康設定を補強出来るのではないかということと、量の多い店ゆえに客は男性が多いので、「その店の名を出すということは作者は男性?」という撹乱に役立つのではという意見でした。

前半についてはなるほど〜と思ったんですが、後半については、そもそも参加者の中に男性は少なくて同じブロックに男性作者がいる確率が低いと思われる上、私の文章はたとえ男性一人称の時でさえあきらかに女性の文章に見えるらしいので、フェイクとしては役に立ちそうもないと思ったし、いずれにしても既に文字数いっぱいだったので採用しませんでした。

でも、もし採用してたら、作者が男性かとは思ってもらえなかったと思うけど、私の世間知らずっぷりを知ってる知り合いには、「冬木さんはきっとラーメン次郎なんて知らない」と、撹乱されてもらえたかも?
実際、有名なチェーン店らしいですが、その時まで全く知らなかったので(^^ゞ


■その作品の続編または長編化のご予定は?

ないです。最初から短編用の一発ネタ。


■その作品で気に入っている箇所はどこですか?

押入れの十八禁本のくだり(笑)
あと、タイトル。


★長すぎてレンタル日記の制限文字数に引っかかってしまったので、続きは明日の日付で……。
こちら


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