時々管理日誌
時々だけ書く管理人の日誌です。
サイト運営や創作について、日々の雑感など。

2008年03月01日(土) 覆面企画後書き

ぷは〜、苦しかった〜〜!!
おしゃべりな私は、推理期間中、自作について黙っているのが苦しくて苦しくて……(^^ゞ
やっと解禁だ〜〜!

というわけで、答え合わせの前に、まずは後書きテンプレ回答から。
例によって半端なく長いです。

あ、まだ正解を知りたくない人は、この先、読まないでくださいね。
少しスペースを空けておきます。






【第三回覆面企画冬・後書きテンプレ回答】

■作者名

冬木洋子

■サイト名&アドレス

カノープス通信 http://www.geocities.jp/canopustusin/

■作品&アドレス

D -04『腐乱天使』http://fukumennkikaku.web.fc2.com/3/fuyu/203943.htm

■ジャンル

サイコホラー?

■あらすじ

小学校四年生の美由紀のクラスに転校してきた女の子『空ちゃん』は、嘘つきだった。ある日、ダム湖にかかる橋の上で、空ちゃんは美由紀たちに『自分は空を飛べる』と言い張って、欄干から飛び降りてしまう。美由紀たちは怖くなって逃げ出し、空ちゃんはそのまま行方不明になった。
その事件を誰にも言わずに胸に秘めたまま大人になった美由紀だが、件のダム湖で子供の白骨死体が見つかったという噂を聞いた時から、悪夢に取り込まれてゆく――。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=64893&pg=20080201

■この人には当てられるかも、と思っていた探偵さんの推理はいかがでしたか?

よもぎの森さんには、見事にズバリと当てられました。名探偵であるだけでなく、付き合いが長くて、いろいろと把握されまくっているので、絶対逃げられないと思っていました。
当てられそうな人No.2と思ってた裏乃さんにも当てられました。

■あなたが当てたいと思っていた作者さん、当てることができましたか?

ほとんど当てたけど、沖さん外した〜〜! 沖さん、すごすぎ……。

■今回の推理のポイントはなんでしたか?

ズバリ、F7キー(笑)

でも、フェイクとか、技巧としての使い分けや単なる不統一の可能性もあるから、機械的な検索結果は自前の脳みそでファジーに価値判断して取捨選択。(結局、調査の意味ないじゃん!(笑))
あとは、「なんとなく○○さん臭い」という直感。(要するに思い込み!)
まず直感である程度絞ったところで検索を活用して現場百回の地道な裏付け捜査、最終的には捜査結果とフィーリングを合わせて総合判断という感じ。


■作品のネタを思いついたきっかけは?

この企画に参加しようと思ったこと。
『空』というお題と、『人間の汚い部分を描くことも〜』という『冬』に関する注意書きの二つが脳内で化学反応を起こして、ああいう話が生まれました。
単純なもので、あの注意書きを見たら、何か、そういう方向の話を書かなきゃいけないような気になって……(^^ゞ

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。

規定枚数内で収めること。とにかく長くならないように苦労しました。
特に後半は、初期構想では、主人公が時間をかけてじわじわ追い詰められていく様を段階をおって延々と描くはずでしたが、ぎゅっと短縮しました。たぶん、そのほうが却って良くなったんじゃないかと。

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。


美由紀が空ちゃんに髪の毛を結ぶゴムをあげるエピソード。
男子から髪の毛が不潔だといじめられている空ちゃんに、結んでおけば少しはマシかと思って、予備に持ち歩いていたあまり気に入ってないゴムをあげたら、喜んだ空ちゃんに髪型を真似されて、むかついた美由紀は翌日から髪型を変えるという話。
……ほら、小中学生の女の子って、ファッションや持ち物を快く思っていない子に真似されるのを異様に嫌がるじゃないですか。しかも、美由紀の髪型は、自分でやるのは非常に難しいツインテールで、美由紀は自分が努力してそのテクを習得したことをなかなか誇りに思っていたから、それを真似されて(しかもすごく劣化した形で)、しかも嬉しそうに「おんなじ」とか言われて、みゆちゃん大ショック。
空ちゃんにしてみれば、いじめからかばってくれた上に親切に可愛い髪ゴムまでくれた優しいみゆちゃんがますます大好きになって、憧れと嬉しさのあまりに拙いながら一生懸命真似したのに、それが裏目に出た……という、ささやかなすれ違い。
別に無くても済んじゃうエピソードなので、文字数の関係で割愛しました。


空ちゃんが学校のニワトリ小屋から羽を拾ってくるエピソード。
最初に空ちゃんがみんなに嘘をとがめられて泣き出したシーンの舞台は校庭なんですが(不要な設定になったので書かなかったけど)、その際、みんなに「空を飛べるなんて嘘だ」「羽があるなら見せろ」と責め立てられた空ちゃんがニワトリ小屋から汚い鶏の羽を拾ってきて、これが自分の羽だと言い張るシーンがありました。
中盤で橋の上から飛び降りるシーンや、後半で美由紀の悪夢の中の空ちゃんに翼があることの伏線になる予定でしたが、文字数の関係でカットしたため、橋から飛び降りるシーンが、やや唐突になってしまったかも。

■その作品の続編または長編化のご予定は?

ないですが、後日、サイトアップに当たって、↑のエピソードを復活させるなど、多少の加筆修正をする予定。

■その作品で気に入っている箇所はどこですか?

『死んだ子どものつめたい指が手首に絡みついた。』という、最後の一文。

私、実は、ホラーは苦手ジャンルなのですが(実は怖がり)、せっかくホラーを書くからには、文章そのもので怖がらせるような文章が書きたかったんです。
怖いものや怖い出来事を書いたら、怖いのは当たり前。はっきりと怖いものが書かれてなくても、文章だけで理由も分からず何となくぞわぞわするのが、私が考える、ホラー小説の理想形です。
描写されている対象自体が怖いものであるだけなら、小説じゃなくて、映像で見たほうがストレートに怖いでしょう。
映像を上回るだけの怖さを文章によって提供できてこそ、ホラーを『文章で』表現する意味があるかと……。

で、この拙作後半のホラーパートは、残念ながら、書かれている内容や描写の対象物が怖いから怖いだけで、たぶん、同じシーンを映像で見たほうが、より怖いです。
書かれているものごとの怖さを文章で増幅することが、出来ていない。むしろ、描写しきれずに、私の脳内映像より怖さが目減りしている。『文章ならではの怖さ』の境地に、ぜんぜん近づけていない。

そういう点で、私はこの作品の出来に満足できていないのですが、この、最後の一文だけは、ほんの少し、少しだけでも、『文章そのものによる怖さ』の境地に接近できてる気がするんです。
(まあ、あくまで自分の感覚でそんな『気がする』だけですが……)

『子ども』という言葉は、私は、普段、混ぜ書きに抵抗があるので『子供』と変換しています。
でも、この箇所は、文章による怖さを演出するのに『子ども』のほうが適していると思って(理由は特に無い! 単なるフィーリング!)、こだわりを持って『子ども』を使い、それが成功したような気がしています。
(ここで『子ども』を使うために、他の箇所も『子供』ではなく『子ども』にしました。)
『つめたい』のひらがな表記も、意図的な演出です。

というわけで、フェイクのためではなくわざと普段と違う表記をしたのですが、せっかくだから、誰かその辺に気づいて惑わされたり、フェイクだろうと指摘してくれないかなあ……と思ったけど、誰も惑わされてくれなかったみたいです(^_^;)

■推理期間中、褒められた点は?

前半の、子どもの世界の描写のリアリティ。誰にでも一度は経験のある世界だけに、それぞれご自分の体験に引き付けて、いろいろと感じてくださったようです。
人によっては、思い出したくも無い過去の傷口をコジコジしてしまったかもしれなくて、申し訳ないですが……。

後半の展開については賛否両論でしたが、賛否両論の『否』の部分というのは、普段はなかなか作者には伝わらないものなで、人それぞれの好みや方向性の違いが興味深く、中には加筆修正の際にダイレクトに役立てられそうなご指摘もあって、ありがたかったです。

全体的には、何だか大勢の人に予想外にものすごく褒めていただいて、ちょっとびびってます……。
次回があっても、ヘタなものを書いて幻滅されるのが恥ずかしくて参加できないかも(^_^;)
あの〜、マグレですから、マグレ……。

■推理されてみて、いかがでしたか?

前回は、表層的な部分であっというまにバレてしまったために、深く踏み込んで推理して貰う余地があまりなかったのがちょっと寂しかったのですが、今回は、程よく迷ったり深く追求したりしていただけて、とても嬉しかったです。
今回、曽野十瓜さんと同ブロックになれてラッキーでした!

そうそう、前回、読点の極端な多さから、すごい勢いでバレたので、今回はかなり減らしたつもりだったんですが、それでもあちこちで『読点多目』と言われてました。
そ、そうなのか、まだ多いのか……(汗)
かなり大幅に減らしたつもりだったけど、自分の感覚で『どうしてもここは打たなきゃ落ち着かない』という箇所は譲らなかったので、『もう、これ以上はまかりません』状態です。
普段とジャンルや傾向の違うものを書いたのが天然の覆面になりましたが、文体ではフェイクしてない――というか、そもそも、出来ないです。

あと、企画直前や期間中には日記にヘタなことを書かないように重々注意したんですが、まさか半年以上前の日記のあちこちを推理材料にされるとは……。
変換ツールがIMEパッドであることまで推理材料にされましたよ。そういえば、確かに、半年前にパソコンを買い換えた時に、ビスタにしたら単語登録辞書が使えなくなってどうこう……という話を日記に書きましたっけ。お、恐ろしい……。

あ、画面のみっちり感で推理してくれた方もいましたが、それは、この企画参加作品に限っては、単に枚数制限に苦労したからです……(^_^;)
前回もそうだったんですが、今回も、苦心に苦心を重ねてちびちび文字数を節約しても最後の一行まで使い切る勢いだったので。
セリフの前後に改行が無いのも、行数節約のため。普段はあまりやりません。
原稿用紙○枚ではなく文字数制限で、改行や空白はカウントされないなら、もう少しスペースに余裕を持たせるところです。
まあ、そうでなくても、確かに人よりみっちりな方だとは思いますが、短編でここまで超みっちりなのは覆面作品だけ……のはず。


■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?

企画掲示板に報告があった範囲では、
『腐乱天使』(正解)5票。
『ボクの赤い手』(藍間真珠さん) 5票。
『十六年目の「ただいま」』(永坂暖日さん) 4票。
『星下双酌』(kannaさん) 1票。

それ以外で把握しているのは『腐乱天使』に1票、『十六年目〜』に1票かな?

間違ってくれた人が一人しかいなかった前回と比べて、かなりいろいろ迷ってもらえましたが、作品数的には、あまりバラけなかったですね。
被正答率約は約33%と、予想外に低かったです。たぶん、曽野さんのおかげです!
他のブロックにいたら、こうはいかなかったかと。


■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?

曽野十瓜さんに9票、kannaさんとコサメさんに1票ずつ。
『腐乱天使』の作者予想は曽野さんに9票、私に5票と、曽野さんのほうが断然多かったです。
サイコホラーの名手で、しかも前回の覆面作品で小学生の女の子を活写していた曽野さんと同ブロックだなんて、『ブロック分けの妙』に助けられました。

■推理してみて、いかがでしたか?

毎度ながらの『ブロック分けの妙』に翻弄されました。
そんなわけないだろうけど、実は主催者さんは参加者全員の作風を熟知して深慮遠謀をもってブロック分けを操作ているんじゃないかという疑惑が……(^_^;)
よもぎの森さんと『ジンニーと魔法の絨毯』、中咲ホコロさんと『ネイヴァー・ドール』、沖さんとREDさんが同じブロックって、罠としか思えない……。
私と曽野十瓜さんも、他の探偵さんから見たら同じ罠だったかも?

あと、たいていの人が意気込みテンプレで『簡単です』と言ってるけど、推理する側から見れば、それは全く当てにならないということを今度も思い知りました。

推理期間中は、人様の日記や市販の小説を読んでいても、ふと気が付くと漢字変換の癖や読点の頻度をチェックしてしまっている自分を発見しました……(^_^;)

■あなたの正解率、どのくらいでしたか?

92%。イェ〜イ(^^)v
AブロックとCブロックはパーフェクト達成。
Bブロックは12人中9人(75%)正答しました。
間違えた人は、三月兎さん、沖さん、REDさん。
このお三方には、完敗です。

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?

いろいろな方の、いろいろなタイプの作品を、普段なら自分の作品でさえこれほど重箱の隅をつつくように見たことはないというほど本気でまじまじと読み込むことで、ものすごくいろんなものが見えてきて、とても勉強になりました。
普段、自分が、自作も他の方の作品もいかに漫然と読んでいるかが、よく分かります。

あと、毎回思うんですけど、世の中には小説が上手い人が大勢いるんだなあということと、同じお題からこんなに多種多様な作品が生まれるんだなあということと、人の好みは千差万別だなあということ。
私がさっと一読していまいちピンとこなかった作品を他の人はすごくほめていて、そういう感想を読んであらためてその作品の味わい方や魅力に気づかされることも多々あって、書き手としてだけでなく読み手としても、良い経験になりました。

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。

A-11 『リワインドの神は虚しき骸にして愚かなる人間。』 推理に苦労しました。ホコロさん、すごいお方だ……。
C-01『毒』 派手に技巧を誇示するタイプの作品ではないけど、地味に上手い! ものすごく上手い! ほえ〜と感服。
その他、たくさん!

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。

A-02『タイトル未定』 ……そりゃあ気になるに決まってる!(笑)

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。

B-05『かくして王は』 文章が好み! 言葉の手触りにうっとり! この文章で書いてありさえすれば何が書いてあってもいい! 
B-06『未だ凍てつく春の中』 美しいイメージの大洪水。開催時期に相応しい季節感が嬉しい!
B-12『Aurora Breakup』 ロビ太に胸キュン☆
あれ? Bブロックに集中してますね。

■探偵さんに一言。

ありがとうございました!
それと、えーっと、グロくて&後味悪くてごめんなさい……。
いくら『冬』だとはいえ、調子に乗りすぎたかも(^_^;)
※系が苦手な探偵さんたちがこわごわ挑んでくださる姿に罪悪感を感じました。
『Dブロックは※作品が多くて怖そう』と書いてる知り合いのブログに、罪悪感のあまり我慢できずに『Dブロックはほんとにデンジャラスだから、※系が苦手なら読まないほうがいいですよ!』とコメントしてしまって、「自分でグロいの書いといて『怖いから読むな』って、それってどこの森の熊さん?」みたいな状態でした……。
推理のために読もうとして過去のトラウマが呼び覚まされちゃった人とか、もうホント、平に、平に、ごめんなさいm(__)m


■他の参加者さんに一言。

一緒に参加できて楽しかったです。ありがとう!

探偵として、もう、好き勝手言ってごめんなさい。
皆様を肴に、さんざん楽しませていただきました。
推理中には、同じ企画に参加しているからにはみな仲間と勝手に思い定めて、知り合いだろうと今まで全く知らなかった方だろうとお構い無しに一方的に馴れ馴れしく『○○さんはこうこうで〜』とか決め付けて言いたい放題、特に苗字より名前のほうが印象的だったり変換しやすかったりする人は、さらに馴れ馴れしく勝手に名前呼び!失礼しましたm(__)m
お祭りに免じてご容赦を。
楽しかったです! ありがとう!

■次回(あるかも?)について一言。

※作品だけ一つのブロックにまとめるというのはダメですか?
そうすれば、そのブロックだけ他ブロックより作品が多かったり少なかったりはするかもしれないけど、※系が苦手な人が他の作品の推理のために我慢して※作品を読む必要が無いので。
ただ、自分の作品が※ブロックに入れられたのが不本意という人が出てくるのが心配ですが、最初から「その点については全面的に主催者側に一任してくれ。参加した時点でそれに同意したとみなします」と断っておくとか。

最後に、沖さんに倣って、私も。

『青野さん、バンザーイ\(^o^)/』

ほんと、ご尽力ありがとうございました。おかげさまで楽しませていただきました!


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