時々管理日誌
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2005年09月13日(火) 入水鍾乳洞体験記・3

飛び飛びになってしまっていますが、鍾乳洞体験記の3回目です。

さて、ここからが本番のBコース入口。
ひとつだけ持ってきたヘッドランプを下の息子につけさせ、後の3人はロウソクを手に、暗闇の世界に出発です。
といっても、かなり込んでいて、行列状態なので、みんなのロウソクの灯りで、意外と明るいです。
私たちの前後に居た人たちの中では、他に懐中電灯やヘッドライトを持ってきている人は居なくて、ほとんどみんながロウソクを持っていたようです。
普段、ロウソクなんてそんなに明るくないような気がしていましたが、そこまですでに薄暗い洞窟の中を通ってきて暗さに慣れた目には、けっこう明るいものなんですね。

入ってすぐのところは、ちょっと広く、小さなホール状になっていて、足元には小川が流れています。
なるほど、これが問題の川か……。
今のところは、まだ、さほど足を濡らさなくても石づたいに渡れる感じですが、ところどころ、どうしても水に入らないと通れない場所があって、うっかり水に浸かってしまった足は、たしかにすごく冷たいです。
これが水温10度か……。本当にこの水に慣れるものなんだろうか……?

しばらくは、天井もそんなに低くなく、時々ちょっと背をかがめながらも、普通の山歩きのように歩いていきましたが、それは、ほんとうにしばらくの間だけでした。
せっかくさっきの川をなるべく足を濡らさないように渡ったのに、渡った先は、もう、足首まで、ところによっては膝近くまで水に浸かって、完全に川床を歩くかたちになります。
手を切るような冷たい水で、足がじんじん痛みますが、ひたすら我慢します。

本当に、あと往復30分、この水に浸かりっぱなしで歩けるんだろうか……。そんなことが普通一般の家族連れに可能なんだろうか……?
とても信じられないけど、説明の人が我慢すれば慣れるっていってたし、中には長靴の人もいるけど、ほとんどの人は普通の運動靴やビーサンやレンタルのわらじで入ってるんだから、普通は我慢できるものなのでしょう。
だったら私たちだって我慢できるはず。耐えられるはず! 我慢だ、根性だ!

あ、ちなみに、この鍾乳洞のBコースまでの往復所要時間は約60分なのですが、そのうち、Aコース往復の所要時間が約30分なので、その奥のBコース部分だけだと約30分という計算です。
Aコースの間は足はあまり濡れなくて、Bコース部分だけが水中歩行なのです。

冷たい水に足をしびれさせつつ、ちょっと行くと、まもなく壁の横腹に狭い横穴があって、その入口に『胎内くぐり』の案内板が。
でも、その横穴は、まさかと思うほど狭くて、今歩いている通路がそれなりに広いだけに、とてもそちらが順路とは思えません。
まさかここに入るの……? こんなとこ、子供はともかく大人が通れるの……?

「まさか、いくらなんでもこっちが順路じゃないよねえ?」と言いながら、とりあえずそこを通り過ぎて、今居る通路を先に進んでみたら、そっちもすぐに狭くなって、ちょっと上り坂になった奥は行き止まりっぽい……。
下の息子が、小さな身体と身軽さを生かしてひょいひょいと岩を登って、上り坂の先を偵察してみたら、そこは行き止まり。

後でネットで洞内の地図を見たら、息子が登ってみたのは『月宮殿』と名づけられた場所だったようです(どこが月だったり宮殿だったりするのかさっぱりわかりませんでしたが(^_^;))。
で、これも後でネットで見たら、この鍾乳洞で、自分たちが道を間違えていると勘違いして途中で引き返してしまう人も多いらしいです。
さもありなん、です……。
もし、ああいう込んでいる時ではなく、もっと空いていて、前後にあまり人がいない時に入っていたら、私たちも、まず間違いなく途中で不安になって引き返してしまったに違いありません。
だって、とても人間が通れるとは思えない狭い穴が順路で、順路といってもほどんと手が加えられておらず、案内板もところどころにしかないんですもん。

そんなわけで、しかたなく分かれ道まで引き返して、やはり『胎内くぐり』の入口で逡巡していた後続のよその父子(ロウソクの火も借りたし、もはや『冒険の仲間』状態(^_^;))にも先が行き止まりであることを告げ、覚悟を決めて順番に『胎内くぐり』にトライ。
まさに『胎内くぐり』です!
よく公園やデパートの子供広場にあるチューブ式のアスレチック遊具のよう。
しかも、遊具のチューブのように太さが一定しているわけじゃなく、壁はごつごつと出っ張ったり引っ込んだりしているし、天井から鍾乳石が下がっていたり、下から大きな岩が生えていたり。
狭いところは身体を横にしたり身をかがめたりしてなんとか擦り抜けます。
しかも、足元は、ずっと川の中!

そして、片手には火のついたロウソク。
これを水につけないように気をつけて、片手は常に上にあげていなければなりません。
天井や壁も濡れているので、うっかり壁にロウソクをつけてしまったら、火が消えてしまいます。
実際、道中でそれぞれ何度づつか火が消えましたが、その都度、前後の家族や知らない人に火を移させてもらいます。
ここへ来て、受付の人に照明は一人にひとつづつ必要ですと言われた意味が、よ〜く判りました。
人一人通るのがやっとの狭い穴の中を一列になって歩くから、ひとつの灯りを頼りにみんなで固まって歩くなんてことは出来なかったんですね(^_^;)

いや〜、まさかここまですごいところだったなんて……。
長くなったので第四回に続く!


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