時々管理日誌
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2002年06月22日(土) 蛍を見にいった

昨日、小学生の息子が、学校から帰ってくるなり、『今夜、○○堰のところの田んぼに蛍を見に連れて行ってくれ』というんです。
それが宿題だったんだそうで。
蛍を見て来い、ならまだわかるけど、『○○堰』という、うちの近くの特定の田んぼを先生が指定したというのが解せなくて、
「それじゃあ、今日はお前のクラスの子が、みんな、お母さんと一緒にあそこの田んぼに来るわけ?」といったら、
「そうだと思うよ」と。
そんなばかなとは思ったけれど(狭い谷津田で、どう考えても、大勢が車で押しかけられるような場所じゃないのです)、きっと先生は、何箇所かの蛍生息地のなかから、一人一人に、その子の家に近そうな場所を勧めてやったんだろうと思い、そんな、家のすぐ近くの田んぼに蛍がいるというなら、それは宿題でなくてもぜひ見にいかなくちゃと、暗くなってから車で見にいったんです。
街灯一つない細い山道(軽自動車でやっと通れる、主に耕運機が通るようなでこぼこ道)を遠回りしないと行かれないところで、夜行くのは、車ででも結構怖かったりしますが(途中に墓地もある!)、直線距離にすれば家から何十メートルも離れていない田んぼです。間に小山が一つ挟まってるので、家からは見えない場所ですが、子供たちはいつも遊びに行っているらしいです。

で、そこらに車をとめて、田んぼの傍に降りていったら、ほんとに居たんですよ、蛍。
そんなに大群が乱舞というわけではなく、ちらほらと程度ですが、田んぼの周りの木立にも止まって明滅してたりして、なんともきれいです。
回りには街灯一つなく、くぼ地なので周囲の人家の灯も見えず、月は薄雲に隠れて、ウシガエルの声だけが響く、誰も居ない谷あいの田んぼ。その暗闇の中、ふっと光っては、すいっと消える蛍!
うわあ、いいなあ!
やっぱり、蛍って、何とも言えず風情があって、神秘的なものですね。

蛍を見るのは、茨城に住んでいた学生時代以来です。
ここへ越してきて、もう十年以上になりますが、こんなに家のすぐ近くに蛍が居るなんて、今まで、知らなかったんです。
いくら田舎で田んぼがいっぱいあるからと言って、蛍なんて、田んぼがありさえすればどこにでもいるというものじゃなく、この辺でも、『蛍の里』と名づけてボランティアが蛍の保護をしている特定の田んぼがあったりするので、それ以外のところにはいないと思ってました。

そういえば、子供が生まれる前、夫と二人で蛍を探して夜の田んぼめぐりのドライブをしたこともあったのですが、当時はまだここらの地理に暗かったので、こんな、普段から道を知ってる人じゃないと入り込めない谷津田にまでは、来なかったですね。
だって、あそこ、夜、車で入り込むには、結構怖いところなんです。道が細くて曲がってて、でこぼこな上に草に埋もれかけてて、真っ暗で、農業用池に落ちそうで(^_^;)
もちろん、歩いていくなんて論外! 街灯一つないし、周囲に人家もなく、イザという時に助けを求めるあてもなく、虫はたくさん居るし、農業用池に転落死しそう。

とにかく目出度く蛍にめぐり合って、帰ってきてから、息子に、
「でも、他の人は誰も来てなかったじゃない?」と、あらためて問い詰めてみたら、どうやら実は、先生は、あの場所を指定したわけじゃなく、ただ、息子が自分が知っている一番近い田んぼを言っただけだったそうです。
それじゃあ、先生が、あそこに蛍が居ることを知っていたわけじゃなかったんですね。
ということは、昨日、すぐに蛍にめぐり合えたのは、本当に幸運だったらしいです。他の子たちも、みんな蛍を見られたのかどうか。
なんにしても、こんな宿題でもなければ、こんな近くに蛍が居ても何年も見ることなく過ごしていたんだから、粋な宿題を出してくれた先生に感謝ですね。


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