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2002年03月16日(土) |
I need her |
「ねえ、どうしてあのとき私に声をかけたりしたのよ? 生身の私を知ったら幻滅するだけです。私を知ろうとするより、『生きているのはなんだかいいなあ』と思える現実感を私に与えてほしい。それが、私の望みです。それ以外に、人といる意味がありますか?」
「そういうあんたは俺に対して何を与えようとしてくれたというんだ?」
*
「求めるだけ無駄なんだ。彼女には色々と見たいもの、やりたいことがあるんだよ。それで遠くに行こうとしているわけさ。だから君には無理だよ。彼女を捉えることなんてできやしない」
「それでも俺には彼女が必要なんだ」
「どうしてだい?」
「それがわかれば、生きる苦労が一つ減るな」
「同時に、生きる楽しみも、一つ減るかもね」
「確かに」
「確かにね」
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