日日雑記
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 旬な声優

今期に限ったことじゃないけれど、新アニメ作品のキャスト表で、同じ声優の名前を何回も見ることが多くなりました。人気声優をできるだけたくさん聴きたい、または出したいという需要・供給が整っているのでしょうが、同時期にいくつも出演作を抱える状況が果たしてどんな結果につながるのか、余計な心配をしています。


1960年代の日本アニメ草創期は専任声優の数が極端に少なく、俳優業の傍らの副業といった意味合いが強かった印象があります。そのため、同じ声優が手を変え品を変え次々登場しましたが、まだその存在は作品の要素のひとつといったものでした。
1970年代後半になって急に声優がクローズアップされ始めたのは、「ヤマト」や「ガンダム」など超人気アニメが多角的に検証・評論され、アニメの分業体制が広く一般に認知された結果だと考えられます。

ひとつの大きな現象が発生すると、末端の細分化が進むのはアニメでも同様です。原作が優れている、絵や内容がアニメ向きだ――そんな基本コンセプトとは別に、どういった人材が参加してるかという非常にマニアックなファクターに、ファンも敏感になってきます。
アニメは基本的に集団で作るものですから、どの要素が欠けても不完全ですが、かといってどれかが突出してしまえば全体のバランスを壊します。


アニメのキャラは圧倒的に年齢の若い者が多く、声優もその声にふさわしい時期が、ある意味「旬」なのかなあと思います。10年前にあれだけしょっちゅう聴いた声が今はさっぱり……というのも止むを得ないことなのでしょうか。
これが舞台やTVドラマなら、幅広い設定で活動の場も更に広がるのに。アニメ声優ってアイドルタレントと同じ立ち位置なのかしらと、ちょっとため息が出てしまいます。




2006年04月20日(木)
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