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■ 義経縁側日記(38)
だから問題は『鎌倉に無断で官位を得た者は墨俣川より東に越えてはならぬ』という頼朝の下知よ、ゲチゲチゲチ!
官位をもらえば自動的に朝廷の序列に組み込まれ、それは頼朝さんの目指す「武士による政治」に障る――なら、そう言ってやれよー、イジワルしないでさ。義経の言動を見極めるってことは、結局は根底で信じてないってことじゃん。まあ、この疑心暗鬼の強さが祟って、源家はたったの三代で終わっちゃうんだけど……。
義経を見ていると、今時の純愛好きとかありのままの自分とか不器用でどこが悪いといった、生きる上での技を知ろうともしないお馬鹿さんの典型のように思えてきます。日本人が彼に寄せる憧憬の根本がそこにあるなら、たとえ裏切っても寝返っても己の野望を達成するというピカレスクは受け入れられないんだろうなあ。 あれだけ辛酸なめ子な子供時代を送ってるのに、狡知に長けた部分が全然ないのも珍しいよ。だから集う家来も馬鹿ばっか(笑)。
素直すぎて自滅していくのは簡単なの、何も考えなくていいから。まわりにしてみても自分に利害が及ばないから諸手をあげて美化するし。これが美人の奥さんもらって所領もいっぱいで、優秀な部下と後継ぎがいるなんていったら、あっという間にそっぽ向かれんのよ。成功者に対する大衆のねたみそねみのパワーは凄まじいですからね。
長い時間をかけて、あらゆる事態を想定し対処法を考慮し、水面下で根回しして最終的に欲しいものを手に入れる――そのためなら人を踏み躙っても不幸にしても構わない――そこまで突き詰めて自分の人生を自分が生きる。そういうキャラが好きです。だって、死後の名声より生きてる内の贅沢三昧のがいいに決まってんじゃん!
2005年09月26日(月)
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