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■ 夜想#GOTHを読んでいたら……
昨日届いた小谷真理『テクノゴシック』の序文が掲載されたのが、雑誌『夜想』のゴス特集号('03/09)であります。 この特集号はビジュアル的にかなりショッキングなものが多く、あまりオススメできないのが残念ですが、それだけに資料として充実してるのですね。
昨夜、後半に載っているLUV石川氏の評論「ゴス・ポップス史概論」をなんとなくながめていたら、日本のパンク&ニューウェーブについて書かれているのに気付きました。 大仰な表現が小気味よくたいへん爽快な文章なんですが、中でも 「80年代のインディーズ・ブームの遺産はパンク&ニューウェーブとは無関係な所で、極めてドメスティックな形態として大団円を迎える。昭和崩御を挟むようにして、怪物的な勢いで台頭したXの登場である」 という部分では、彼等の音楽にやや否定的なあたしですら、身震いするような興奮を覚えます。
「昭和から平成、80年代から90年代という大きな時代の転換期に、破滅を待ち詫びる少女達の願望を最大級に成就させたのはX及びXJAPANだった」 ――ぶち壊すをマニュフェストに据えたどっかの首相がファンだというのもうなずけますか?(笑) 結論は従来の(西欧主導の)ゴシックの意味性から解放された、世界に比類なき和製ゴシックの転換はXにあるということです。 そうなると平成天皇の御前でYOSHIKIがピアノ演奏を披露したのは、たいへん象徴的な出来事だったワケですね……。
そして衝撃だったのは。 「97年のXJAPAN解散後、インディとメジャーという枠が消滅してしまった中からGLAY、ルナシー、ラルクなど、ビジュアル系バンドが大ブレイク。綿密なマスプロダクツによって大量生産大量消費されていくJ−POPにしかし、彼等は屈することなくギリギリのところでニューウェーブ的な危うい匂いを発した。それはヴォーカルの「声」によってである。前述のみっつのバンドに通奏低音のように流れているのは、イギリスの初期ニュー・ウェーブ・バンド、JAPANのデビッド・シルビアンの声である」
ああ、ああ! ああ!! ここに至ってやっと分かったよ、あたし! 彼等の音楽が妙に懐かしく違和感なく受け入れられるのは、デビッドが隠れていたからなんだ! それは涙が出るような奔流だよ。
嬉しくて、ちょっと自分を抱きしめたいような夜でした。
2005年09月17日(土)
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