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■ 銀座月光荘
雑誌を読んでいたら久しぶりにこの名前を見た。月光荘は銀座の中でも老舗の画廊である。
月光荘にはいろいろと不思議な噂がある。 オーナーがピアニスト中村紘子の母親であるとか、店名はベートーベンのピアノソナタ「月光」から付けたらしい等など。
中村紘子は日本を代表する国際的なピアニストだが、その生い立ちは案外知られていない。 昔、松本清張の小説「空の城」が「ザ・商社」としてNHKでドラマ化されたとき、故夏目雅子がスリップ一枚でアップライトをガンガン弾くシーンがあった。彼女は商社員にかこわれている若手ピアニストという設定で「これ中村紘子がモデルらしい」と父から聞き俄然興味がわいたものである。
日本ではクラシック音楽を専門的にやろうとしたらパトロンが必要だった時代がある。それは海外留学にしろ何にしろ恐ろしく金がかかるためだ。 「空の城」は総合商社安宅産業の衰退から伊藤忠への吸収までを書いたノンフィクションだが、トップの安宅一族は当時芸術関連事業に並々ならぬ支援をしていた(これにかかった費用が企業衰退の遠因とも言われる)。収集した膨大な作品は「安宅コレクション」と呼ばれ、また美大・音大に対し「安宅賞」の奨学金制度もとっていた(これは現在も続いている)。中村紘子もこの安宅産業のバックアップを受けていたという。
当時月光荘は泰明小学校のはす向かいに店があり、3D映像の展覧会を開くなど画期的なイベントもあったが、ダ・ヴィンチの素描事件(行方不明になっていた素描作品が月光荘で発見された事件)やオーナーの死で80年代後半閉店になってしまった。 かように月光荘はいわくつきの画廊なのだが、いつの間にか復活していたらしい。地図によると以前と同じ場所に店を構えているようだ。 四丁目交差点にあった近藤書店とイオナ洋書店が閉店してしまったというし、暖かくなったらちょっと銀座散策にでかけてみようと思う。
2003年03月18日(火)
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