冬休みに帰省するため、 申し込んでおいた航空券の払込みに行った。 間に韓国旅行も挟むため、 ルートに制限があったりストップオーバーがあったりで、 結構なお金を払わなくてはならない。 はっきりいって、かなり痛い。 昨日もらった商品券で払っちゃだめだろうか。 (だめです)
その会社はカード決済を受け付けていないので、 銀行に行って大枚引き出す。 受け取った瞬間に、きりきりと胃が痛むのは、 きっと午前中に飲んだ3杯のコーヒーのせいではあるまい。 ああ、手に感じるこの重みが、 10分後には跡形もなく消えてしまうのだ。 石川啄木でなくとも、 その瞬間には「じっと手を見」てしまうこと請け合いである。
クリスマス前の旅行会社は混雑していた。 主に学生を顧客にしているところなので、 カウンターに座るのは、大方が大学生である。 そして、この狭い町ではよくあることだが、 日本語の学生にも会ってしまう。 中国に行くのだそうだ。 ああそうか…ところでどうでもいいけど、 君、本当は今授業じゃないのか。 ぶっひー先生が泣いてるぞ。
「ああ忙しい忙しい」って感じで応対してくれたお姉さんは、 航空券をアレンジしてくれた人とは別人だった。 パソコンで情報を確認した後、 分厚いファイルを取り出して料金を計算している。 いっつも思うんだけど、 どうして予約確定した時に、 パソコンに料金も入力しておかないんだろう。 そのパソコンは何のためにあるんだ?
で、5分ほど待っていると、 どうやら計算が終わったらしいお姉さんが料金を提示した。
「○○万ね」
…?安いぞ。
予約する時に言われた金額よりも、 日本円にして6万近く安い。 絶対安い。 絶対おかしい。 絶対計算まちがってる。 ここで逃げを打つのも手だが、 後でトラブルになるのはごめんである。
「安くない?申し訳ないけど、もう一度確認して?」
お姉さんはもう一度計算して、
「あ、本当だ!これじゃ安すぎよね」
ほーらごらん。
「後5000ね」
…?たった5000?(日本円にして二千円ほど)
どうしようと迷ったコージ苑だが、 あまり何度も計算しなおせと言うと、 彼女のプライドを刺激してしまいそうだったので、 素直に払っておくことにする。
大学に戻って同僚に話したところ、 皆「ラッキーじゃない!よかったねー」と言った。 その場はモヤッと笑っておいたけど。
本当にラッキーなのか? 土壇場で乗れないなんてことにならないか? コージ苑、ちゃんと日本に帰れるのか?
胃がきりきり痛むのは、 だからコーヒーのせいじゃないってば。絶対。
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