日中暇だったので、とりあえず読書。藤沢周平『蝉しぐれ』 文春文庫お家騒動が原因で、ある武士が切腹を命じられた。家名は断絶、残された母と息子はそれまでの家を追われ、不遇をかこつ。息子は幼馴染の女性への想いを残しつつ、剣で名をあげ、家の再興をはかる。…という筋、乙川の『蔓の端々』と『喜知次』を思い出させる。もちろん、こっちのほうがずいぶんと先に書かれたもの。作品中に示されるイベントが似ていると、それに対する作者の切り口、テーマの選択などの違いが際立って面白い。