出向コージ苑

2003年10月17日(金) 湖と山と

レンタカーでドライブ。
今日は平日なので、コージ苑は国外へ出られない。
いや、出られるのだが、有給をケチったのである。
しかし、スロ国内も見所がいっぱいだよー、ということで、
七味屋氏未体験ゾーンの、ブレッド湖とボヒニ湖へ。

この二つの湖、とにかく水が美しい。
浅いところでは透明、
深いところは目にも鮮やかなエメラルドグリーンで、
風でゆれる水面をのぞけば、
マスの姿を見ることができる。

そう、ここはマスでも有名な湖。
マスですよ、マス。
庶民グルメを(いつの間にか)自認するコージ苑が、
これを見逃すわけが無い。
景色だけじゃ、おなかはふくれないのだ。←アンチロマンチスト
前回来た時に目をつけておいたレストランで、
ローストにしていただいた。
ニンニクがこれでもかという程まぶされていたが、
よく太った天然のマスは、滅法おいしかった。

※※※※※

当初の予定では、湖を見て帰るはずだった。
しかし、食後のコーヒーを飲みつつ地図を見ると、
スロ、そしてユリアンアルプス最高峰の、
トリグラフ山が近くにある。
七味屋氏の「最高峰はやっぱり拝んでおかねば」という、
なんだかよく分らない理屈ではずみがついて、
登山口にある山小屋まで足を伸ばすことになった。

もはや舗装されていない山道を、車で走る。
登山ファンから見ると、外道中の外道であろう。
窓の外は、紅葉直前の山の景色。
登ってゆくに従って、川の流れが早くなり、
水の色もアイスブルーに変化する。
…と、助手席のコージ苑は呑気に風景を楽しむ。
一方七味屋氏は、曲がりくねった道を運転するという行為に、
自らの存在意義を見出しているらしかった。
なんと完璧な、そして非生産的な分業体制であろう。

「車はここまで」の標識から、さらに歩いて数分。
前方に割と立派な山小屋が出現した。
一瞬、開いているのかと危ぶんだが、
中にはあかあかと燃える暖炉があり、
いかにも素人くさいおばちゃんが一人いた。
冷えた身体をあたためようと、ココアを注文したところ、
どうやら、この女性は留守番であったらしく、
ココアの粉はどこだと探し、ガスの火をつけるのに手間取って、
結局出てきたのは10分以上たってからだった。
…だったらコージ苑、自分で入れても同じだったかも。
勿論、手間賃は料金から引いてもらうことにして。

そうそう、忘れていたがトリグラフである。
山小屋から見るその姿かたちは、
雪なのか地質のせいか定かではないが真っ白く、
どうやって登るのかと本気で悩んでしまう程険しかった。
スロの国旗にもデザインされているこの山、
さすがに眺めるだけでも十分威厳が感じられたのであった。

※※※※※

帰り道、止せばいいのに田舎道を行く。
普段なら、石畳の道を走る時には30キロ以上は出さず、
ひたすらタイヤと車を大事にする七味屋氏であるが、
何故か今日は、砂利道だろうが少々の段差だろうが、
それほどスピードをゆるめずに軽快にとばす。
「レンタカーだから気が楽」らしい。
君は自分さえ良ければそれでいいのか。

とか偉そうに言うコージ苑も、
同じ状況だったら多分そうすると思う。
人間ってそんなもんさ、などと言い交わす二人。
思いがけず、人間の真理にたどり着いたドライブなのであった。


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