以前にも書いたが、コージ苑は無類の臆病者である。 例えば、一人っきりでホラー映画を観るのが非常にこわい。 オバケものならまだしも、心理的に攻められると、 「いっそ殺して」状態に陥る。 両者のダブル攻撃をかましてくれた「ブレア・ウィッチ・・・」など、 最高に恐ろしかった。 ご丁寧にラストをリプレイしてくれた七味屋氏に、 半ば本気で怒ったほどだ。
思うに、想像力というものがあるから、怖さが増幅されるのだ。 映画の場合、画像である程度イメージが限定されるため、 恐怖のレベルは頭打ちになることが多いのだが、 厄介なのは本である。 ストーリーの背後にある怖さを読みとってしまうと、もうおしまいだ。 「行間を読む」技術をコージ苑にたたき込んだ小中学校の先生が恨めしい。 うっかりこのような本に当たってしまうと、 読みながら意味もなく背後を振り返ったり、 雰囲気を明るく保つために、 クレイジーキャッツなどをかけてしまうコージ苑だ。
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イングリッド・ベタンクール『それでも私は腐敗と闘う』 草思社 コロンビアの、ある女性政治家の半生記。 南米の政治は不安定だと聞くが、 ここに書かれているコロンビアの政治は半端じゃない。 政敵の暗殺などは日常茶飯事。 国民は、政治家に期待しては裏切られ、を繰り返し、 すっかり希望を失っている。 著者であるベタンクール女史は、あらゆる政治腐敗に「NO」を唱え、 新党を結成して政治改革を目指す。 しかし、現大統領の汚職を追及したときから、 彼女の命は狙われることになる。 しかし彼女は、「それでも腐敗と闘う」のである。
この本、本編を読んでいる分にはいいのだが、 ぞっとするのは後書きに添えられた、女史のその後の活動。 大統領選に出馬した彼女は、 選挙直前になってゲリラ集団に誘拐され、 発行当時の2000年には、行方不明の状態なのだ。 犯人はゲリラだと報道されているが、 訳者その他の分析によると、ゲリラが彼女を誘拐しても、 何のメリットもないんだそうで、 では一体「誰が得をするか?」というと、 既存の金権政治家集団・・・というわけ。 事実がどうなっているのかは、これだけでは判断できないが、 やっぱり南米って怖い。
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