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■ あたかもそれは一瞬芸
夜の10時頃、ちんたらと吉祥寺通りを北に向かって歩いてたら、 ふたりの婦人警官が慌ただしく交通整理をしている。 ふと通りの向こうをみると、今まさに、2台の車がレッカーされるところだった。
赤信号で交通が止まっている間に、ちゃっちゃと作業を始める。 作業着の男たちがふたり一組でレッカーに取りかかる。 ジャッキでシャッシャと後輪を上げ、荷車みたいなものに乗せる。 あんなに大きな車を「せーの、よいしょ」と持ち上げ、車の両車輪を固定すると、 男Aは素早くレッカー車に乗り込み器用にバックしてくる。 その間、男Bは車が半身乗った荷車をひとりで引っ張る。(おいおい動いてるよ) カッシャンとレッカー車に接続が終わると、動き出した車にひょいと男Bが飛び乗り、 信号が青に変わると同時にどこかえ消えてゆく。
婦人警官たちは、駐車されていたところへ白いチョークで連絡先を書きなぐる。 てきぱきと無駄のない動き。それにすごいスピード感。 見ていて気持ちがいいくらいだ。
ふたたび信号が赤になるのを待って、私はバカみたいにもう一台が レッカーされる光景を眺める。
ほんと、ぱちぱちと拍手を送りたいくらいに見事でした。 そこには持ち主に対する同情の余地など、まったくないのだけれど。
2001年03月30日(金)
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