月のシズク
mamico



 吉祥寺の夜に「おおきに!」

吉祥寺はジャズの街として定着している。
そして吉祥寺の"Sometime"といえば、毎夜ライブが繰り広げられている
昔ながらのホールだ。細い階段を下りてゆき、ドアを開くと中央に
グランドピアノがあり、それを取り囲むように客席がもうけられている。
半地下と2階席もあって、キャパが小さいわりには立体的で視覚には
ぐっと広く感じる。

風邪の具合が悪くて、本当はこのまま帰って眠ってしまおうかとも考えたのですが、
せっかくの元PSY'Sのチャカのライブだったので、だるい身体を引きずって
階段を下りる。7時過ぎに入って、結局スリーステージを全部聴いてしまった。

なんだろな。あの声と流れるようなピアノに、魂がぐらぐら揺さぶられて
離れられない感覚。トリオの息がぴったり合っていて、ぜんぜん無理のない
演奏に風邪までhealされていく感じかな。ジャズのいいところは、
歌詞がちゃんと声にのって意味まで伝えてくれるということ。
その言葉が具現する感触や感覚、そう、喜びも哀しみもつらさもせつなさも、
すべて。

チャカさんは15年も東京に住んでいるわりに、ばりばりの関西人で関西根性丸出し。
MCでは常に客を笑わせてくれた。この人、うちの母と顔がそっくりなんですよね。
で、最後には「言いたかった台詞言わせてね。」と人差し指を伸ばした腕を斜め45℃に掲げて叫んだとさ。
「吉祥寺の夜に、おおきに!」

いや、こちらこそおおきに、ありがとう、といったライブでした。
私の風邪は、アルコールで消毒され、奥深い歌声に癒されたとさ。



2001年03月12日(月)
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