今までお勤めしていたものだから、「京ことば」の練習は、月に2回程度の個人レッスンだけだった。
お勤めをやめてからは平日に行われる「京ことばの会」に参加できる♪
会場は京都駅近くの施設である。
長テーブルと近代的なイスがセッティングされた広めの部屋には、常時20人前後のメンバーがいる。
全員、女性(年配の)ばかりだと思っていたら、ある日、一人のオッサンが居た。
腹話術師らしい…。お人形の名前はケンタ君らしい…。他にも、もう一人オッサンがいたらしいが「会合時間が長すぎるから。」という理由で止めたそうだ。( ´_ゝ`)フーン
最前列には、メンバー側と向かい合わせに、男性講師・女性講師・主催者(女性)が座られる。 真ん中の女性講師が私の京ことばの先生だ。 この頃は、ブームなせいか月に1度、東京の教室に日帰りで「京都の事」を教えに行かれる。
さて…
座る席順は決まってないのだが、会でおそらく最年長と思われる、お上品な老婦人と相席になるようになった。
「○○どすやろ?」 「××どすにゃわ。」 と、取ってつけたような京都弁は私の年代ぐらいが言うといやらしく聞こえるのだが、この方のお口から発せられると、まっさらの天ぷら油ぐらいツルツル自然で、イヤミがない。
実は私も私の先生もこの方のファンである。
「私の知ってる事は戦前の事だけどす…。」と控えめに仰るのだが、その古き良き京ことばを、今や死語となりつつある昔の京ことばを知ってらっしゃるのは、その方の年齢から上だと思う。
先月は「下鴨神社」の七不思議について教えて貰った。
今月は旅行に行った折り、こんな可愛いものを見つけたので、その方のために買い求めた。
おみくじになっている。
会が始まる前にコッソリ渡した。「H瀬さん、長生きしてネ♪」
H瀬さんは恐縮して押し戴き、休み時間に…
「これ、何やとお思いやすぅ?」
手の平に乗るくらいの小さなタッパのふたを開けた。
「お一つどーぞ♪」
不謹慎にも私は、ヒイィィィ!!!!(゜ロ゜ノ)ノ 「鹿のフン、喰わされるーう!」
内心、焦った。
H瀬さん:「これ、私のミネラル源どす。黒砂糖。お塩の取りすぎは身体に悪おすやろ?朝一杯の水と一緒にこれを食べるんどす。」
C=(^◇^ ; ホッ! 黒砂糖か。良かった。
一つ、口に入れると“シュッ”と溶けるのには、驚いた。
普通の堅い黒砂糖しか食べたことなかったよ。
お金持ちの召し上がる黒砂糖は、違うなぁ。
結局、「入れ物ごと、持って行っておくれやす。」とH瀬さんが懇願するので、ありがたく戴いた。
これを「出張朗読の日のお守りにしよう!」と、心に決めていたからだ。
つづく…
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