愚者
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2006年04月17日(月) 禁句

 「生まれて来なければ良かった」
親が子供に、また子供自身が言ってはいけない言葉だ。
どんなに感情的になっても、どれほど怒りに震えても
人には絶対に言ってはいけない言葉がある。

 子供の頃、親と喧嘩をしたときに、頭の悪い私は
「誰が生んでくれと頼んだ、勝手に俺を生みやがって」と
親の逆鱗に触れ、顔の形が変わるくらいの目にあったことがある。
完全に私の失言であるから、殴られた怒りよりも後に
猛烈な後悔となったのを、今でも鮮明に覚えている。

 本来分かり合えるはずの親子でも必ず禁句はある。
その一言が、相手にとっては強烈な一撃となり、親でも
子でもない、という気持ちにさせられることもある。
触れてはいけない部分、それが少なければ少ないほど
いい関係が築けるのは、誰もが分かっている。
それを築き上げる時間や労力を惜しんではいけない。

 お互いに憎しみあうために生まれてきたのではない。
少なくとも、夫婦は他人だが親と子はそうでないはずだ。
子供の言葉に左右されたり、一喜一憂したりでは
本当に信頼できる親子の関係は成立しない。

 親と子だから分かり合える部分もあるが、いがみ合う部分も
あることを、もっと理解しなければならない。
まずは自分から歩み寄らなければ、相手からは寄って来てくれない。
とても簡単なことだけど、それがなかなか出来ない。
それでもいつかきっと、分かってくれると信じていたい。


誠幻