愚者
DiaryINDEX|past|will
「生まれて来なければ良かった」 親が子供に、また子供自身が言ってはいけない言葉だ。 どんなに感情的になっても、どれほど怒りに震えても 人には絶対に言ってはいけない言葉がある。
子供の頃、親と喧嘩をしたときに、頭の悪い私は 「誰が生んでくれと頼んだ、勝手に俺を生みやがって」と 親の逆鱗に触れ、顔の形が変わるくらいの目にあったことがある。 完全に私の失言であるから、殴られた怒りよりも後に 猛烈な後悔となったのを、今でも鮮明に覚えている。
本来分かり合えるはずの親子でも必ず禁句はある。 その一言が、相手にとっては強烈な一撃となり、親でも 子でもない、という気持ちにさせられることもある。 触れてはいけない部分、それが少なければ少ないほど いい関係が築けるのは、誰もが分かっている。 それを築き上げる時間や労力を惜しんではいけない。
お互いに憎しみあうために生まれてきたのではない。 少なくとも、夫婦は他人だが親と子はそうでないはずだ。 子供の言葉に左右されたり、一喜一憂したりでは 本当に信頼できる親子の関係は成立しない。
親と子だから分かり合える部分もあるが、いがみ合う部分も あることを、もっと理解しなければならない。 まずは自分から歩み寄らなければ、相手からは寄って来てくれない。 とても簡単なことだけど、それがなかなか出来ない。 それでもいつかきっと、分かってくれると信じていたい。
誠幻
|