ムッキーの初老日記
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おかず。毎日の飯の友。 一見そんな物騒な要素は何もないように見える「おかず」であるが これをめぐって血も凍る夫婦の罵りあいが繰り広げられる事も少なくない。
私が日々楽しみに愛読している日記のひとつ、 あんぱんちさんの「ぐうたら『え』日記」のこの日の日記に 大皿に盛ったおかずの大半をご主人が食べてしまう、とあった。
実はこれと全く逆の事が、うちではしばしば行われている。 つまり、夫(オッサン君)ではなく、私が、食べてしまうのだ。
それは意地悪や食い意地の問題ではなく、生まれ育った環境の違いだと思う。
オッサン君は男ばかりの三人兄弟で育った。 ケンカを避けるため、大概は個々の皿に盛られていたおかずだが 大皿の時には、自分の食べていい量を一瞬にして計算する癖が、オッサン君には付いている。 お菓子もそうだ。その全体量÷3が、オッサン君の食べていい量だった。 それは兄弟の中での暗黙の了解で、ゆっくり食べようが急いで食べようが 『自分の分』は大抵の場合、安全だったのである。
それに比べて一人っ子で育った私にはそれが出来ない。 私には、ある分=食べてもいい分、だったのだ。
その二人がめぐり合い、結婚した。
洗い物を減らす意味でも、うちは大概のおかずを大皿に盛る。 気をつける時もあるにはあるが、長年の習慣というものはそう簡単になおる物ではなく 私は計算など全くしないまま食事を開始する。 オッサン君は、頭の中で自分の分を把握してから食べ出す。
そして悲劇は起る。
「あっ!もうこんなにない!Σ( ̄□ ̄;)」
「ん?もぐもぐ 美味しいよ。」
「美味しいよ♪ じゃねえよっ!俺まだふた口くらいしか食べてねえのに!」
「え、そうなの?進まないから、キライなのかなーって思ったよもぐもぐ」
「熱いから冷めてからゆっくり食おうと思ってたんだよ!なんだよーもう!」
「そうだったのか〜もぐもぐ また作ってあげるよ。」
「またじゃねーよ!今食いたかったよ、今!ナウ!ジャストナウ! まったくなんでお前は何度言ってもあればあるだけ食っちゃうんだよっ! なんで10あるものを10食うんだよ!自分の取り分を計算しろよ!」
「もぐもぐ 知らないよ!いちいちそんな事計算して食ってられっか!」
「なんだとー!この一人っ子野郎がっ!」
「なにーっ!もういっぺん言ってみろー!このハゲちょびれが!」
以下略
そして最後は必ず「個々に皿に盛れ」と言われるのだが 洗い物が大キライな私は、どんなにケンカを繰り返そうと 頑として個別盛り付けを拒否してきた。
まあね…私が悪いのはわかってるけどね。
こう書くと私のほうが大食漢のようだが オッサン君はとにかく半端じゃない量を平らげる。 「一生食べ盛り」と自分でも言っているが それはおよそ38歳の初老の男性が食べる量ではない。
なのに何故、オッサン君は太らないのだろうか。 まったく納得がいかない。 夫が太らないという点では、あんぱんちさん宅と同じである。
小食では決してないが、普通に食べている私が年々肥え 食べ盛り継続中のオッサン君は体型が変わらない。 まったく忌々しいったらありゃしない。
そして大皿の乱は、きっと今後も続いてゆく。
+・+・+オッサン君のメロディー+・+・+
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ムッキー
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