ムッキーの初老日記
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2005年05月30日(月) |
千春への道【5】抜け期〜ツル期 |
【 抜け期 】
チーちゃまを襲った「それ」。 それは、頭髪が抜け落ちる現象…ハゲである。
自分でも「あれが命取りだった…」と言っているが 「長い夜」という曲の頃、彼はそれでなくともヤバくなっている髪に よりにもよってパーマを当ててしまった。
その後はもう無残なほどに髪が抜け落ちて行き 彼の容貌をどんどんどんどん変えていった。 当時ファンじゃなかった私でさえ、TVや雑誌で彼を見かける度に あまりの事態に心より気の毒に思ったのを憶えている。
だが皮肉な事に、ハゲ始めてからというもの 頭髪が抜けると反比例するように、この時期の彼は 歌唱力が益々向上し、声に艶が増して来たように思う。 この頃彼は、己の歌唱力を誇示するような、朗々とした歌を何曲も出している。
また「夜のヒットスタジオ」にマンスリーゲストとして出演した時の 「炎」の絶唱は、いまやファンの間では伝説となっているほど その歌唱力、表現力には鬼気迫るものがあった。
私はこの、「若くてカッコいい松山千春」から 「若ハゲに悩む松山千春」になった数年間が 彼のヴォーカリストとしての第一次絶頂期ではなかったかと思う。
やくざ映画に主演し、中井貴一と共演してみたり 服装が段々と悪趣味になり、広すぎる額に汗で髪を貼り付かせて歌う彼に あの爽やかな好青年、松山千春の面影は、いつしか消え去っていた。
その後も、情け容赦も無く抜け落ちる髪と共に、自分の目指す歌、 歌うべき歌が見えなくなってしまったかのような迷走の時代を経て ある時突然彼はスキンヘッドにしてしまったのだ。
【 ツル期 】
これがよかったんだと思う。 このままどんどんハゲゆくだけなら、いっそ剃ってしまうほうが彼らしい。 その後派手な服装は相変わらずであったが、何か吹っ切れたような清々しさがあった。
その後TVドラマ「みにくいアヒルの子」の主題歌「君を忘れない」がヒットし 彼にとって久々の大きなヒット曲となった。 残った髪の毛なびかせて、彼らしからぬシティーポップスもどきを歌うよりも 潔く坊主にし、「大きな歌を歌わせてくれたら誰にも負けない」と自分でも言うように スケールの大きい歌や、純な恋歌を歌ってこその松山千春だろう。
そしてチーちゃまと私は出会う。
今彼は40代後半に突入し、程よく枯れ始め円熟味を増した歌声が フサ期とはまた一味も二味も違った魅力を感じさせる。 歌手としても、そして人間的にも、今のチーちゃまを尊敬している。
中二の時、フサフサのチーちゃまにハマらなかった事は、今思えば幸いだ。 もし、あの日ファンになっていたら、ルックスから入っていたら、 彼が抜け始めた時点で、私の熱は冷めていたであろう。
今でよかった。 30代後半で、40代後半のツル期のチーちゃまと出会えてよかった。 遅い出会いではあったけれど、彼に出会えた事を心より感謝している。
これからも我が運命の人、千春へと続く道を、歩んで行きたい。
追記「チーちゃまへお願い」 スキンヘッドはいつもきれいに剃ってください。 先日のコンサートの時はうっすらはえていて すしろ姿が軽く「波平」でしたよ…。
+・+・+オッ○ン君のメロディー+・+・+
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ムッキー
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