ムッキーの初老日記
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2005年05月23日(月) |
千春への道【2】 物語 |
※今回のコンサートトークのネタばれがありますので これから行く人、楽しみにしてる人は読まないで下さい
チーちゃまの数々の名曲の中に「物語」と言う曲がある。
私はこの歌が大好きだったので 今回のコンサートで歌うらしいと聞き、とても楽しみにしていた。
この歌のストーリーを簡単に言うと
昔別れた男女がある日偶然にも街角でバッタリと会い 男性のほうが気安く「お茶でも飲もうや」などと声をかけたが 女性はにっこり笑って「ごめんね、急ぐから」と軽やかに去ってゆく・・・
と言うもので、女性の視点から淡々と情景が歌われている。
(物語の歌詞はこちらで >> click)
コンサートで、チーちゃまは言った。
「男はバカだからさ、一回付き合った女は、別れてもいつまでも 自分の女みたいに思っちゃう生き物なんだけどさ 女は早いなあー!切れ方が早い! 別れたらもうな『さあ次行こう』って感じだべ? 男は引きずる引きずる、もう、無い後ろ髪まで引きずるんだよな。」
本当にそうだろうか。 チーちゃまはああ言ったけれど、私は違うと思う。
この歌に出てくる彼女は、この日を心待ちにしていたのだ。 いつか、どこかで、この彼に、もう一度会いたいと。
そうじゃない恋愛ももちろんたくさんあるだろう。 だけれど、この恋愛は彼女にとって特別なものだったはずだ。 じゃなかったら
「あなたを愛していた日々が、私の一番輝いていた季節」
なんて思わないし
「あんなに 誰かを 愛したことはない もちろん今でも この先もたぶん 」
なんて事も、思わないだろう。
じゃあどうして、せっかく再会した彼に向かって 「ごめんね、急ぐから、またね」などと言えたのか。 きっと心の片隅で、この日を待ち続けていただろうに。 何もよりを戻そうってわけじゃない。 せっかくなんだから一緒にお茶の一杯も飲んだらいいじゃないか。
それは意地だ。 自分を捨てた男への意地。
あなたと別れてもこうして元気で暮らしてますよ。 あなたの事なんか、普段は思い出しもしませんよ。
そう彼に思わせたいがために、ありったけの根性引っかき集め にっこり笑って「じゃあまたね」と背中を向けて歩き出したのだ。
彼が見送っているであろうその背中をピンと伸ばし、彼女は歩き出す。 彼には見えていない彼女の顔は、もしかしたらもう泣いているかも知れない。 それともあの角を曲がるまで・・・と、くしゃくしゃの顔で我慢しているかも知れない。
私はこの歌を聴くたびに、彼女のその歪んだ顔までも見えるような気がする。
チーちゃまは本当に「女の切替の早さ」を歌にしたのか? それも私は違うと思う。
あの男は、知っているのだ。 女の強がり、意地を。
知っていてこの歌を作り、知っていてわざとああ言ったのだ。 女は切替が早いなあ、と。男はその後姿しか見ていませんよ、 その時女がくしゃくしゃの顔をしている事なんか、男は気付いてもいませんよ・・・と 知らないふりをしたんだと、私にはそう感じられた。
一連の彼の歌を聴けばわかる。 男のクセにどうしてそんなに女の気持ちがわかるのかと言う歌、多数。
知っているのに知らんぷり。
チーちゃまめ。 やっぱりニクイ男なのだ。
+・+・+オッ○ン君のメロディー+・+・+
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ムッキー
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