ムッキーの初老日記
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2004年02月28日(土) チーを略奪

思い起こせば、私のこのチーへの激情
実は中二(14歳)で、もうその兆候があった。


中二の頃。

チーは「季節の中で」のヒットで一躍スターになった。
ニューミュージックと呼ばれた分野のアーティストの中で
チーはひときわ若く、そのルックス♪(本当だ)と透明な歌声で
当時の中高生女子の心を一気に掴んだ。


私も彼に淡い憧れと恋心を抱いたが
私以上にチーに心奪われていたのが、絶倫の倫ちゃんだったのである。


「千春っていいよね。大好きなんだ!LP買っちゃった♪」


とはしゃぐ倫ちゃん。



『そうか・・・倫ちゃんは千春が好きなんだ。
じゃあ私はあきらめよう。』



今思えば、まったく馬鹿馬鹿しい話なのだが
当時は、先に好きと言ったほうが勝ち、
たとえ芸能人であっても、仲良し同士で(仲良しでなければOK)
同じ人を好きになってはいけない、というような不文律が存在した。


それが当時の中二というものであった。


今ならまだ引き返せる。
私は、芽生えたばかりのチーへの想いを胸にしまい込み
自分にストップをかけた。
「私はアリスでいいや・・・」と。


そして過ぎ行く時間の中で、私はチーのことを忘れた。



それから25年の歳月が流れた。
倫ちゃんはとうに千春ファンではなくなっていたが
ある日、千春のコンサートが茨城であることを知り
懐かしくなって「一緒に行こう」と私を誘ったのだった。


その後のことは、ご承知の通りだ。


私はチーに激しくのめり込んでゆくのである。
まるで今まで押さえ込んでいたものが噴出したように。
小6の頃からのマイデステニー、鉄矢さえも捨て。



先日、倫ちゃんと所用で出掛けた時のこと。
私の車で出掛けたので、当然BGMはオール・チーである。


今私は、チーのアルバムを発売順に聴きこんでいる。
有名どころの曲以外は、未知の曲なので
まるで新曲のように新鮮な気持ちで聴く事が出来て幸せだ。


その日も、初めて聞くアルバムをセット。
20代のチーの、透明で繊細な歌声が流れる。

ああ、チー♪



その時。

うっとり聴き惚れる私の横で
「あーなつかしいなぁ」と言いながら
倫ちゃんは鼻歌を口ずさんでいた。何気なく。


( ゚Д゚)ハッ・・・


そう、私にとっては未知の曲でも
倫ちゃんにとっては「懐かしい曲」なのだ。



こんなにチーを愛する私よりも
倫ちゃんはもっともっとチーを知っているのだ。



ジェラシー。(-ε- )



倫ちゃん。あの時は遠慮したけど
今度はチーをあきらめる訳にはいかないよ



(T凹T)うっはははははは!←倫ちゃん


チーだけは誰にも渡さないよ!
君には負けはしないよ!このだけはっっ!



(T▽T)ぎゃっははははは!←倫ちゃん


倫ちゃんは綺麗な顔をぐしゃぐしゃに崩し
涙を流しながら、一言こう言った



いらねーよ!君にやるよ。





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