ムッキーの初老日記
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思い起こせば、私のこのチーへの激情は 実は中二(14歳)で、もうその兆候があった。
中二の頃。
チーは「季節の中で」のヒットで一躍スターになった。 ニューミュージックと呼ばれた分野のアーティストの中で チーはひときわ若く、そのルックス♪(本当だ)と透明な歌声で 当時の中高生女子の心を一気に掴んだ。
私も彼に淡い憧れと恋心を抱いたが 私以上にチーに心奪われていたのが、絶倫の倫ちゃんだったのである。
「千春っていいよね。大好きなんだ!LP買っちゃった♪」
とはしゃぐ倫ちゃん。
『そうか・・・倫ちゃんは千春が好きなんだ。 じゃあ私はあきらめよう。』
今思えば、まったく馬鹿馬鹿しい話なのだが 当時は、先に好きと言ったほうが勝ち、 たとえ芸能人であっても、仲良し同士で(仲良しでなければOK) 同じ人を好きになってはいけない、というような不文律が存在した。
それが当時の中二というものであった。
今ならまだ引き返せる。 私は、芽生えたばかりのチーへの想いを胸にしまい込み 自分にストップをかけた。 「私はアリスでいいや・・・」と。
そして過ぎ行く時間の中で、私はチーのことを忘れた。
それから25年の歳月が流れた。 倫ちゃんはとうに千春ファンではなくなっていたが ある日、千春のコンサートが茨城であることを知り 懐かしくなって「一緒に行こう」と私を誘ったのだった。
その後のことは、ご承知の通りだ。
私はチーに激しくのめり込んでゆくのである。 まるで今まで押さえ込んでいたものが噴出したように。 小6の頃からのマイデステニー、鉄矢さえも捨て。
先日、倫ちゃんと所用で出掛けた時のこと。 私の車で出掛けたので、当然BGMはオール・チーである。
今私は、チーのアルバムを発売順に聴きこんでいる。 有名どころの曲以外は、未知の曲なので まるで新曲のように新鮮な気持ちで聴く事が出来て幸せだ。
その日も、初めて聞くアルバムをセット。 20代のチーの、透明で繊細な歌声が流れる。
ああ、チー♪
その時。
うっとり聴き惚れる私の横で 「あーなつかしいなぁ」と言いながら 倫ちゃんは鼻歌を口ずさんでいた。何気なく。
( ゚Д゚)ハッ・・・
そう、私にとっては未知の曲でも 倫ちゃんにとっては「懐かしい曲」なのだ。
こんなにチーを愛する私よりも 倫ちゃんはもっともっとチーを知っているのだ。
ジェラシー。(-ε- )
「倫ちゃん。あの時は遠慮したけど 今度はチーをあきらめる訳にはいかないよ。」
(T凹T)うっはははははは!←倫ちゃん
「チーだけは誰にも渡さないよ! 君には負けはしないよ!この愛だけはっっ!」
(T▽T)ぎゃっははははは!←倫ちゃん
倫ちゃんは綺麗な顔をぐしゃぐしゃに崩し 涙を流しながら、一言こう言った
いらねーよ!君にやるよ。
◆◇オッサン君の独り言◇◆
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ムッキー
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