ムッキーの初老日記
DiaryINDEX|past|will
水戸は、海にも近い。 車で30分も走れば、海水浴やサーフィンで有名な 大洗海岸や阿字ヶ浦海岸がある。
こんなに近くに住んでいながら ここしばらく海を見ていないことに気づいたのは 先週の土曜。
ああ、海が見たい。
オッサン君に言ったところで埒が明かない。
「今度ね」 「今日は寒いから、来週ね」 「陽が照ってないと外に出たくない」
出不精のヤツの口からは こんないい訳しか出てこない。
こんな時、一人でも行動できてこそ大人というもの。 今度ヤツが早朝出勤になったあかつきには 絶対夜明けの海を見に行ってやろうと、心に決めた。
大体、海が見たいと切望する時は 自分では気づく気づかないは別として なにか鬱憤やストレスや、そう言ったマイナスな物が 溜まっている時なのだ。
これを放っておくと、ろくな事にはならない。 さっさと海のパワーで浄化するのが望ましい。
そう思っていたら、早速今朝は早朝出勤。 なんてタイムリー! 神様が「行って来い、あんた海へでも。」と 言ってくれてるかのようなこのタイミング。
私は早速オッサン君のお弁当を作り、自分の身仕舞を済ませ 「今から海に行って来る。」と宣言した。
「今からー!?一人でー!? 雨だぞ今朝は。行ってもどんより灰色の海だぞ。」
という、後ろむきな忠告は無視し まだ明けない道を、海に向かって走り出した。
車の殆んど走っていない道は、快適そのもの。 ほんの20分で、大洗海岸の、通称「サーフ」と呼ばれる 海岸線に沿ってえんえん続く駐車場についた。
日はもう出ていたが、厚い雲に隠れ まだ周りは薄暗く、波間だけが白く見えていた。
ああ、海だ。
私は海に向かって車を停め、しばらく放心したように眺めた。 窓を開けると聴こえる波の音が、心を揺さぶった。 ずっと眺めてるうちに、どんどん自分が浄化されていくような気がした。
なんて蒼いのか。 まさしく「瑠璃色」だった。 いつか見た、懐かしい海の色。
ちょっと目を離すと、もう色が変わってゆく。 どんどん明るくなり、茜色の朝焼けが差す。 一時も目が離せない。 ああ、なんてきれいなんだろう。 瑠璃色の地球・・・。
ふと、普段は全然聴きもしない聖子の歌が口をつく。
---夜明けの来ない夜は無いさ。
そうだよね。 と、一人納得し、うなずく。
ほんの30分海を眺めることのほうが 本を読んで言葉を探すより ずっと心のためになることがある。
さあ、道が混み出す前に、街に帰ろう。
■「写真館」に海の写真数枚載せました。
◆◇039◇◆
|
ムッキー
|