2004年07月08日(木) |
スカイ・クロラ The Sky Crawlers/森博嗣 |
次作「ナ・バ・テア」を読んで即、読み返しました。 これを初めて読んだときには、わからない、と思いました。それもかなり強く。 表紙の言葉、「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう」がまず理解できなかったのだと思います。 が、「ナ・バ・テア」を読んだ今、前回とは全く違う印象でした。 空は静かで、他者との関係を隔絶でき、ひとりになれる場所。 その場所をただ純粋に求めるから、飛行機に乗り、操縦桿を握り、時に邪魔するものを撃つ。 終わりのない空と終わりの曖昧なこの話を、とてもきれいだと思いました。
理解されたくない、という気持ちが、空へ高く上らせる力となる。
森博嗣:スカイ・クロラ The Sky Crawlers,p.268,中央公論新社.
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