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2004年02月13日(金)   マリア様がみてる いとしき歳月(後編)/今野緒雪

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卒業式まであと二日。どうしよう、もうすぐ薔薇さまたちが卒業しちゃう!急に寂しさが押し寄せてきた祐巳。なのに紅薔薇さまったら、遺言めいた言動なんかして寂しさに追い討ちをかけるのだった。(表紙折り返しより)
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卒業式っていうのは、場合によっては送られる者よりも送る者の方が感慨深かったりするものだと、私は思ってます。その場合というのは、先輩に思い入れがある場合のみなんですけどね。
卒業式までの準備期間が長い分、卒業生って卒業式前に離れるということに気持ちの準備がすすむように思います。残される者は、式の場で今までとは違う雰囲気の卒業生を見て、急に離れることを実感してしまうんじゃないかな、と。
私の場合、卒業式で泣いたのは記憶にある限り一度だけ。高一、憧れの上の方が卒業するときでした。
自分の高校の卒業式は、母校90数年の歴史で始めて、卒業式でクラッカを鳴らしウェーブをした学年でした。その時の先生と(大昔の卒業生と思われる)来賓の方々の顔が、今でも忘れられません。
してやったり。式ってのは、主役が誰かはっきりしていなくてはね。
(それと成人式でハメを外すのは、もちろん別ですが。)
「粛々と」が旨の卒業式をざわざわ言わせたのが、入学以来問題児・学力低いと言われ続けた私たちの代の後輩への置き土産。
以後、クラッカとウェ−ブは恒例になったとか…。
さて、この巻で薔薇さまも代がわり。著者曰く、これからが本編だそうですが、寂しくなりますね。



「じゃあね」
そう言って、三人は別れた。
マリア様の見守る分かれ道で。
「じゃあね」
次に会う約束はしなかった。しなくても大丈夫だということを知っていた。
言い足りない言葉が、まだたくさんあったかもしれない。けれど、すべてを伝えられはしないから。
この学校で、あなたたちと出会えてよかった。(p.143−144より抜粋)


今野緒雪:マリア様がみてる いとしき歳月(後編),p.143-144,集英社.
















ゆそか